- 仕事の内容を知りたい
- 年収がどのくらいか気になる
- 試験日や難易度を知りたい
管理業務主任者を目指す前に仕事内容と資格で得られるメリットを知ることはとても重要です。目的を間違えてしまうと「資格を取った意味がなかった…」という状況に陥ってしまうことがよくあります。
私は、管理業務主任者試験に三度挑戦し、その資格を手に入れることができました。そして、その結果、スキルアップに合わせて年収もUPさせることができました。
管理業務主任者資格は、誰でも挑戦できるという魅力から、非常に価値のある資格です。
この記事では、これから管理業務主任者を目指す人が後悔しないように「管理業務主任者資格」の基本情報や試験の難易度をまとめて解説します。
この記事を読めば「資格をとった意味がなかった…」「簡単な資格だと聞いていたのに…」と失敗することはありません。
管理業務主任者は30組合ごとに1名の設置が必要な独占業務
マンション管理は、その規模や複雑さに伴う専門的な知識と経験が必要とされる業務です。 そして、その重要な役割を担っているのが「管理業務主任者」です。 マンション管理会社においては、30管理組合ごとに1人の管理主業務を設置する必要があり、その存在なくして管理業務を行うことは出来ません。
また、管理業務主任者は、マンション管理に関連する重要な業務を担当します。 これらの業務は管理業務主任者だけが行うことができ、他のスタッフに任せることは法律で禁止されている「独占業務」です。
管理業務主任者の独占業務は、以下の4つがあります。
- 管理受託契約書に記名・押印
- 管理受託契約の際の重要事項の説明
- 重要事項説明書に記名・押印
- 管理組合に対して管理事務の報告
これらの業務は、マンションの日常的な運営から、組合員への説明責任にまで及んでいます。
仕事内容は管理組合のサポート業務を行うマンション運営のプロ
マンションは、住人たちが組織する「管理組合」によって運営されます。 ただし、管理組合員が全員マンション運営の専門知識を持っているわけではありません。 このため、専門的な知識と経験を持つ「マンション管理会社」が、管理組合に代わって運営を行うケースがほとんどです。
管理業務主任者の独占業務以外にも以下のような業務をサポートします。
- マンションのメンテナンスや修繕計画
- 管理組合が開催する総会や理事会のサポート
- マンションの住人からのお困りごとの対応
- 修繕積立金などの資産管理
マンションの適切な運営と、居住者の快適な生活を維持するために、マンション管理会社の役割は非常に重要です。
管理組合のサポートこそがマンション管理会社の役割。
年収は400万~500万円程度で平均よりもやや高め
マンション管理の仕事の平均年収は約462万円と日本の平均年収よりも比較的高い傾向にあります。
管理業務主任者は独占業務を持ち管理会社に一定数の設置義務もある為、資格手当や転職に有利に働くと言えるため年収UPが見込めます。
また、簡単ではありませんが実績を増やし多くの管理組合の信用を勝ち取れば独立開業の道も開ける為、可能性としては無限大にあると言える資格です。
独占業務を有する国家資格には大きな価値があります。
将来性と転職に有利!理由はマンションの増加と設置義務
現在、マンションの増加によってマンション管理会社は管理業務主任者を求めています。
マンション管理業者以外にも不動産業全体でマンション管理業への新規参入も進み、独占業務を持つ管理業務主任者の需要が高まる可能性が高いと言えます。
また、金融機関など他業種も社内に不動産部門を持つ企業が多くマンション管理業に進出する可能性があるため、その際には必ず管理業務主任者の存在が必要になります。
今後、古いマンションの管理や建替えが必要になることからマンション管理会社の需要が増えることによって管理業務主任者のニーズも比例して高まってくることは間違いありません。
金融機関や他業種の企業も管理業務主任者を必要としています。
資格取得は役に立つ!管理組合にこそ必要な「マンション管理の知識」
マンションの運営は管理組合が主体性を持って管理しなければなりません。それはマンションは区分所有者の資産であり、管理組合は区分所有者の代表であるからです。
専門知識がない管理組合だけでマンションを管理することは簡単ではないため、必要に応じて管理会社に業務を委託することは必要です。しかし、残念ながらすべての管理会社が良心的な管理会社だとは言えません。
管理会社の提案をすべて受け入れていると最終的に資金不足に陥ってしまう可能性もあります。管理組合こそ的確な判断ができるようにマンションの知識が必要不可欠です。
- 管理会社へすべてを任せると他人ごとになりやすい。
- 資産を守るのは区分所有者で結成された管理組合。
- 有資格者がいることで管理会社から騙されない。
マンション管理の知識を得て管理組合が資産を守りましょう。
【意味がない?】マンション管理業以外から見た管理業務主任者の活かせる仕事を解説!
管理業務主任者試験は「きちんと勉強すれば」必ず合格できる資格
不動産業界で活躍するためには、各種資格の取得が有利に働くことは間違いありません。その中でも、管理業務主任者という資格は、他の資格に比べて挑戦しやすいものであると言えます。
以下の表は、各種不動産資格の合格率を比較したものです。その中で、管理業務主任者の合格率は20%~23%となっており、他の資格と比較しても高い水準にあります。
資格名 | 合格率 |
司法書士 | 3%~5% |
土地家屋調査士 | 8%~9% |
マンション管理士 | 8%~9% |
宅建士 | 15%~17% |
管理業務主任者 | 20%~23% |
賃貸不動産経営管理士 | 29%~31% |
管理業務主任試験に合格するための目安となる勉強時間は約300時間程度となります。これに関して、宅建士の試験に合格するための目安となる勉強時間は約300~400時間となっています。
これらのデータから分かるように、管理業務主任者の試験は、きちんと勉強すれば必ず合格できる資格と言えます。また、他の不動産系資格に比べて挑戦しやすい資格とも言えます。
しかし、勉強時間は宅建と同等です。受験すれば簡単に合格できる資格ではないことに注意しましょう。
合格率と難易度は全く別物です。
【管理業務主任者と宅建士を徹底比較】難しい資格はどっち?両試験の難易度を徹底比較!
試験日は「毎年12月」受験資格がなく誰でも挑戦ができる資格
管理業務主任者試験は、特別な受験資格が必要なく、誰でも挑戦できる資格試験となっています。
以下の表は管理業務主任者試験の主なスケジュールと詳細をまとめたものです。
受検資格 | なし |
受験申込案内 | 8月1日~9月30日 |
申込書受付期間 | 9月1日~9月30日 |
試験実施日 | 毎年12月(第一日曜日)13:00~15:00 |
試験会場(計8地域) | 北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県・沖縄県 |
受験手数料 | 8,900円(非課税) |
合格発表 | 1月20日頃 |
管理業務主任者試験では特定の学歴や職歴、資格などを必要とせず、年齢や国籍に関係なく、誰でも試験を受けることが可能です。
管理業務主任者試験は、受験資格がなくても誰でも挑戦できる資格です。 そのため、マンション管理業界への第一歩として、あるいはスキルアップとして、多くの方にとって大きな機会となります。
管理業務主任者は受験資格がなく誰でも挑戦できる資格!
合格率は毎年20%前後で推移【合格ラインは35点前後】
管理業務主任者試験は、不動産業界でのキャリアアップに欠かせない資格の一つです。しかし、その合格率は毎年20%前後で進み、合格ラインは35点前後とやや難易度が高いとされています。試験に合格するためには、しっかりとした理解と確実な知識が求められます。
過去数年の合格率と合格ラインは以下のとおりです。
年度 | 合格点 | 合格率 |
平成25年 | 32点 | 22.5% |
平成26年 | 35点 | 21.0% |
平成27年 | 34点 | 23.8% |
平成28年 | 35点 | 22.5% |
平成29年 | 36点 | 21.7% |
平成30年 | 33点 | 21.7% |
令和元年 | 34点 | 23.2% |
令和2年 | 37点 | 22.2% |
令和3年 | 35点 | 19.4% |
令和4年 | 36点 | 18.9% |
毎年、合格点と合格率に大きな変動はなく、合格点は35点前後で回っています。このことから、管理業務主任者試験に合格するためには、試験全体の7割以上の得点が目安となります。
この合格ラインは、一般的な資格試験に比べてやや高いと言われます。これから、試験対策においては、範囲を広くカバーするだけではなく、それぞれの項目を深く掘り下げ、確実に正解できる知識を身につけることが求められます。
管理業務主任者試験の合格率は、毎年20%前後で回っています、合格ラインは35点前後とされています。 これらの数値から見てもわかる通り、試験対策においては深い理解と確実な知識が必要となります。
合格ラインは少し高め。試験では確実に正解できる知識が必要です!
【管理業務主任者と宅建士を徹底比較】難しい資格はどっち?両試験の難易度を徹底比較!
確実に合格を目指すなら独学よりも通信講座がおすすめ
「管理業務主任者試験の合格を目指す」その過程で、自分に合った学習方法は何か、どのように準備を進めていくべきか検討している方も多いのではないでしょうか。 私自身、宅建士の資格を持ちながら独学で失敗し、通信講座を受講して3回目の試験でやっと合格することができました。
毎年、管理業務主任者試験の合格率は20%前後で推移しています。比較対象としてよく引き合いに出される宅建士の合格率は15%~17%で、宅建士よりもご合格率は若干高いです。これを見て、一見独学でも合格を目指せる資格に思えます。
しかし、受験経験者の間では「宅建よりも難しかった…」という意見が多く見られます。 理由としては、管理業務主任者試験の範囲が広く、読解が難しい問題も多いからです。 出題傾向の分析や効率の良い勉強方法が求められるため、独学で簡単に合格できる資格とは言えません。
管理業務主任者は出題傾向の分析が重要!
独学と通信講座、それぞれにはメリットとデメリットがあります。それぞれを見据え、自分の状況と合わせて最適な方法を選びましょう。
独学のメリット・デメリット
独学のメリットは以下のとおりです。
- 費用が安く済む
- 自由に学習スケジュールを組むことができる
独学最大の魅力は、何と言ってもそのコスト効率の良さです。 参考書や過去問集さえあれば、基本的には追加の出費は必要ありません。 また、自分のペースで進められるのも魅力的です。 夜型の方、仕事が忙しい方でも、自分の好きな時間に学習を進められます。
独学のデメリットは以下のとおりです。
- 適切な勉強ができない。
- 過去問だけの勉強に偏ってしまう。
- すべて自分で調べなければならない為、勉強時間を確保する必要がある。
独学最大の難点は、正しい勉強方法が自明ではないということ。自分一人で出題範囲を確認し、正しい学習計画を立てる、理解度をチェックするなど、全て自分で行う必要があります。この自己管理が難しい方には、通信講座がおすすめです。
通信講座のメリット・デメリット
通信講座のメリットは以下のとおりです。
- 効率的で適切な勉強ができる。
- 試験に合格するための知識を確実に得られる。
- 短期合格も目指せる。
通信講座の大きな魅力は、その「確実性」です。 講座が提供するカリキュラムは、試験範囲をしっかりと網羅し、出題傾向を分析した上で作成されています。 これにより、試験に必要な知識を確実に身につけることができます。
通信講座のデメリットは以下のとおりです。
- 独学よりも費用がかかってしまう
通信講座のデメリットはその費用です。独学と比べて費用がかかりますが、それを補うだけの価値があります。
通信講座のデメリットは費用のみ!比較的リーズナブルな講座もあるので確認してみましょう!
【独学は無理?】管理業務主任者は通信講座が必要か?試験の難易度とその理由を徹底解説!
マンション管理士は管業に合格してから挑戦するべき!
マンション管理士と管理業務主任者、この二つの試験は出題範囲が大きく重複しています。 このため、ダブルライセンスを目指す人も少なくありません。 しかし、結論から言うとダブル受験はおすすめしません。
その理由は以下のとおりです。
- 管理業務主任者に合格すれば、マンション管理士試験で5点が免除される。
- 管理業務主任者試験とマンション管理士試験は、毎年1回しか行われない。
これらを踏まえると、まずは管理業務主任者に一本化、合格を目指すのが賢明です。 その後、得られた5点免除を活用してマンション管理士試験に挑戦するという戦略をおすすめします。
二つの試験を一度に受ける事は「共倒れ」のリスクがあるということ。
私は、まず、管理業務主任者試験に全力を尽くし合格を目指しました。 その結果、5点免除を利用してマンション管理士試験では一度目の試験で合格することができました。
ダブルライセンスを目指すのは素晴らしいことですが、やはり賢い戦略が必要です。 無闇に二つの試験を受けるのではなく、まずは管理業務主任者試験に集中し、その後マンション管理士試験に挑戦する方が、より高い確率で合格を目指すことができます。
管業とマン管は年1回の試験です。「共倒れ」にならないようにまずは管理業務主任者に合格しましょう!
管理業務主任者とマンション管理士のダブル受験をおすすめしない3つの理由を解説
まとめ
管理業務主任者は将来性がある資格です。マンションの増加に伴いこれから管理業務主任者を必要とする仕事が増えてくることが予想されます。受験資格がなく誰でも挑戦できる資格という点も魅力の一つです。
具体的には以下のとおりです。
- 独占業務のある国家資格
- 受験資格がなく誰でも挑戦可能
- 需要と将来性がある
不動産系の資格の中では比較的挑戦しやすい資格のため、初心者でも独学で合格を目指すことが可能です。しかし、私自身、宅建士の資格を持っていましたが、独学で二度も失敗しました。 そして、講座を受講して三度目の試験で合格することができました。
管理業務主任者試験は想像以上に難しい!
以下のような理由から、通信講座を利用することをおすすめします。
通信講座のメリットは以下のとおりです。
- 効率的で適切な勉強ができる。
- 試験に合格するための知識を確実に得られる。
- 短期合格も目指せる。
独学のデメリットは以下のとおりです。
- 適切な勉強ができない。
- 過去問だけの勉強に偏ってしまう。
- すべて自分で調べなければならない為、勉強時間を確保する必要がある。
通信講座も検討してみましょう!
この記事では、管理業務主任者資格の魅力と学習法についてお伝えしました。その将来性と需要、そして挑戦のしやすさから、魅力的な資格であることは間違いありません。
そして、確実に合格を目指すなら、通信講座の利用も検討することをおすすめします。この記事がこれから管理業務主任者試験に挑戦する人にとっても参考になれば幸いです。