- 「マンション管理士と管理業務主任者はダブル受験した方がいい?」
- 「試験範囲が似ているなら、同じ年に受けた方が効率的?」
- 「独学でもダブル受験できる?」
マンション管理士と管理業務主任者は、試験範囲が重複しているため、ダブル受験を考える人も多い資格です。
結論から言うと、社会人や初学者にはダブル受験をおすすめしません。
試験範囲は似ていますが、マンション管理士は難しい問題への対応力が求められ、管理業務主任者は基本問題を確実に取る力が重要です。
そのため、限られた勉強時間を2つの試験に分散すると、どちらも対策が中途半端になる可能性があります。
ダブル受験で最も危険なのは、勉強時間が分散して両方とも合格圏に届かないことです。
私自身も、宅建取得後に管理業務主任者を受験しましたが、最初の2回は不合格でした。
その後、3回目で管理業務主任者に合格し、翌年にマンション管理士へ挑戦して一発で合格しています。
この経験から、社会人が合格可能性を高めるなら、管理業務主任者→マンション管理士と、1つずつ集中して取得する方が現実的だと考えています。
この記事では、ダブル受験をおすすめしない理由や勉強時間、おすすめの受験順について解説します。
マンション管理士と管理業務主任者の違い
マンション管理士と管理業務主任者は、どちらもマンション管理に関する資格ですが、資格の役割や試験の難易度には違いがあります。
| 管理業務主任者 | マンション管理士 | |
| 主な立場 | 管理会社側 | 管理組合側 |
| 主な役割 | 管理受託契約・管理事務報告など | 管理組合への助言・支援 |
| 資格の特徴 | 独占業務あり | 名称独占資格 |
| 難易度 | 比較的高い | 非常に高い |
| 勉強時間の目安 | 約300時間 | 約500〜700時間 |
| 5問免除 | マン管合格者は管業で対象 | 管業合格者はマン管で対象 |
管理業務主任者は、マンション管理会社で実務に直結しやすい資格です。
一方、マンション管理士は、区分所有法や標準管理規約などをより深く理解する必要があり、試験難易度も高くなります。
そのため、試験範囲が似ているからといって、同じ感覚で両方を受験できるわけではありません。
管理業務主任者の仕事内容や難易度について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
▶ 管理業務主任者とは?仕事内容・年収・難易度・将来性を詳しく見る
マン管・管業のダブル受験をおすすめしない4つの理由
マンション管理士と管理業務主任者は、確かに試験範囲の重複が多い資格です。
それでも私がダブル受験をおすすめしないのは、「範囲が似ている=同時に合格しやすい」ではないからです。
①試験日が近すぎる
マンション管理士と管理業務主任者は、例年、試験日が非常に近く設定されています。
マンション管理士試験が終わった直後に、管理業務主任者試験が控えている形になります。
そのため、
- マンション管理士試験が終わってから管業対策をする
- マン管の出来を見てから管業に切り替える
といった余裕はほとんどありません。
実質的には、試験前から2資格を同時並行で仕上げる必要があります。
特に仕事をしながら勉強する社会人の場合、この負担はかなり大きくなります。
②試験範囲は似ていても出題の目線が違う
両試験では、共通する以下の分野が多く出題されます。
- 民法
- 区分所有法
- 標準管理規約
- 管理実務
- 建築設備
一方で、求められる知識の深さや出題のされ方は同じではありません。
管理業務主任者は、合格するために基本問題を確実に取る力が重要です。
それに対してマンション管理士は、細かい知識や応用的な判断まで問われやすく、同じ論点でも一段深い理解が必要になります。
そのため、「同じ範囲だから一緒に勉強すれば効率がいい」と考えて始めると、想像以上に負担が大きくなります。
③勉強時間が分散して両方とも中途半端になりやすい
ダブル受験で最も大きな問題は、勉強時間が分散することです。
例えば、仕事をしながら平日に1〜2時間しか勉強できない場合、
- 管業の過去問演習
- マン管の難問対策
- 法改正の確認
- 模試の復習
- 苦手分野の補強
を同時に進めなければなりません。
試験範囲が重複していても、完全に同じ勉強だけで両方に対応できるわけではありません。
結果として、「マン管は合格点に届かず管業でも取りこぼしが増える」という状態になりやすくなります。
私自身、管理業務主任者だけに集中していた時期でも2回不合格を経験しています。
だからこそ、初学者が最初から2試験を同時に仕上げるのは、想像以上に難しいと感じています。
④管理業務主任者に合格するとマン管で5問免除を受けられる
管理業務主任者試験の合格者は、マンション管理士試験で5問免除を受けることができます。
マンション管理士試験は1点差が合否を分けることも珍しくありません。
その中で5問免除を受けられるメリットは非常に大きいです。
つまり、「管理業務主任者に先に合格→翌年マンション管理士に挑戦」という順番にすることで、マンション管理士試験を有利な状態で受験できます。

これも、私がダブル受験より順番に取得する方法をおすすめする大きな理由です。
著者の本音|宅建合格後でも管業には2回落ちました
私自身、宅建に合格したあと、「試験範囲も少し重なっているし、管業も独学でいけるだろう」と考えていました。
しかし、結果は2回連続で不合格でした。
実際に勉強すると、宅建と重なるのは民法などの権利関係が中心で、区分所有法・標準管理規約・管理実務などはほぼ未知の分野でした。
特に区分所有法の理解にはかなり苦戦しました。
そこで3回目は通信講座を利用して勉強方法を見直し、管理業務主任者に合格。
翌年はその経験を活かし、最初から通信講座を使ってマンション管理士に挑戦し、1回で合格することができました。
この経験から、「試験範囲が重なっているから、マン管と管業は同じ年に受けた方が効率的」とは簡単に言えないと感じています。
ダブルライセンス自体は、マンション管理の専門性を示すうえで、信頼につながる組み合わせだと思います。
ただ、私の周りにも、宅建・賃管・管業を取得し、5問免除を受けながらマン管に何年も合格できていない人が複数います。
だからこそ、社会人や初学者なら、まず管業に集中し、その後マン管を目指す方が現実的だと思います。
ダブル受験にはどれくらい勉強時間が必要?
ダブル受験に必要な勉強時間は、これまでの学習経験によって大きく変わります。
初学者の場合、単純な合計時間では考えにくいものの、少なくとも半年〜1年程度の長期学習を前提にした方がよいでしょう。
勉強時間には個人差がありますが、一般的な目安として、
- 管理業務主任者:約300時間
- マンション管理士:約500〜700時間
程度と言われています。
ただし、両試験には共通範囲が多いため、ダブル受験だから単純に800〜1,000時間必要になるわけではありません。
すでに宅建や管理業務主任者レベルの知識がある人であれば、重複部分の勉強時間は短縮できます。
一方、初学者の場合は、
- 民法を基礎から理解する
- 区分所有法を整理する
- 標準管理規約との違いを覚える
- 建築設備・管理実務を対策する
- マン管特有の難しい問題に対応する
必要があります。
そのため、ダブル受験では最低でも長期的な学習計画が必要です。
特に試験直前期に、管業とマン管を同時に仕上げようとすると、どちらの対策も中途半端になりやすいです。
ダブル受験をするなら、早い段階から両方を受験する前提で勉強を進める必要があります。
ダブル受験はおすすめしないが、ダブルライセンスはおすすめ
ここは誤解されやすい部分ですが、私はマンション管理士と管理業務主任者の両方を取ること自体には賛成です。
おすすめしないのは、「同じ年に両方合格しようとすること」です。
マンション管理士と管理業務主任者は、両方取得することで知識の幅が広がります。
特に、次のような場合は、ダブルライセンスには意味があります。
- マンション管理会社で働く
- 管理組合対応をする
- 不動産管理の専門性を高める
そのため、ダブル受験は慎重に考える、ダブルライセンスは長期的に目指すという考え方がおすすめです。
ダブル受験をおすすめできる人
次のような人であれば、ダブル受験を検討してもよいでしょう。
- 宅建などの資格をすでに取得している
- 民法や区分所有法の基礎知識がある
- 早い時期から学習を開始している
- 毎週十分な勉強時間を確保できる
- 模試や過去問で管業の合格圏に入っている
- マン管が不合格でも翌年再挑戦する前提で受験できる
特に重要なのは、管理業務主任者の合格可能性を下げないことです。
ダブル受験をおすすめできない人
一方、次のような人にはダブル受験をおすすめしません。
- 法律資格の勉強が初めて
- 平日1〜2時間程度しか勉強できない
- 管業の過去問でまだ合格点に届かない
- 苦手分野が多い
- 今年どちらか1つは必ず合格したい
こうした人は、2資格を同時に狙うよりも、まず1つに集中した方が結果につながりやすいです。
特に、管理業務主任者の勉強を進めていて「独学では厳しいかもしれない」と感じている段階なら、マンション管理士まで対策を広げるのはおすすめしません。
まずは管業で合格ラインに届く勉強方法を固めることを優先しましょう。
▶ 【独学は無理?】管理業務主任者に2回落ちた私が感じた限界と対策
特に社会人の場合、勉強時間には限りがあります。
使える時間が少ないからこそ、試験範囲を広げるより、合格するために必要な問題へ集中する方が効率的です。
おすすめの順番は「管理業務主任者→マンション管理士」
これから両方の資格取得を目指すなら、私は、管理業務主任者→マンション管理士の順番をおすすめします。
理由は、以下の通りです。
- 管業の方が合格を狙いやすい
- 試験範囲の基礎を作れる
- マン管で5問免除を受けられる
- 管業で学んだ知識を翌年のマン管に活かせる
私自身もこの順番で取得しました。
管理業務主任者では、最初の2回は不合格でしたが、3回目の受験で勉強方法を見直して合格しました。
その翌年、管理業務主任者で身につけた知識を活かしてマンション管理士を受験し、合格しています。
この経験からも、特に社会人の場合は、1年ごとに合格を積み上げる方が再現性が高いと感じています。
管理業務主任者を先に目指す方は、以下の記事で勉強スケジュールも解説しています。
まとめ|社会人ならまず管理業務主任者に集中しよう

マンション管理士と管理業務主任者は試験範囲が重複しているため、ダブル受験しやすい資格に見えます。
しかし実際には、次のような理由から、社会人や初学者にはダブル受験をおすすめしません。
- 試験日が近い
- 同じ範囲でも問われ方が違う
- 勉強時間が分散する
- 管業合格後ならマン管で5問免除を受けられる
もちろん、最終的にマンション管理士と管理業務主任者の両方を取得することにはメリットがあります。
ただし、ダブル受験することとダブルライセンスを目指すことは分けて考えた方がいいです。
これから両資格を目指すのであれば、まず管理業務主任者に集中して合格後にマンション管理士へ挑戦という順番がおすすめです。
まずは管理業務主任者で合格ラインに届く勉強方法を固めることから始めましょう。