- 「宅建だけでは足りない?」
- 「転職で有利になる資格って?」
- 「不動産業界で収入アップするにはどうすれば…?」
- 「働きながら資格を活かしてキャリアアップしたい」
こんな風に感じている社会人は、私のまわりでも本当に多いです。
不動産業界では、宅建士(宅地建物取引士)を取得する人が多い一方で、もう一歩先の選択肢として近年注目されているのが「賃貸不動産経営管理士」とのダブルライセンスです。
実際、私が働いている不動産管理会社でも、宅建だけを持っている人よりも、賃貸不動産経営管理士も持っている人のほうが昇進スピードが早く、任される仕事のレベルも上がっていると感じます。
特にここ最近では「売る」だけでなく「管理する」スキルを持った人材が、一目置かれる存在になっているのは間違いありません。
この記事では、宅建士と賃貸不動産経営管理士のダブルライセンスを取得することのメリットや、実際にどんな場面で差がつくのかを、実体験を交えてわかりやすく解説します。
宅建士と賃貸不動産経営管理士、それぞれの役割とは?

宅建士の特徴とできる仕事
- 主に「売買」「仲介」に強い国家資格
- 重要事項説明書の説明などに「宅建士」が必要
- 不動産業者では1店舗5人に1人の設置義務
賃貸不動産経営管理士の特徴とできる仕事
- 賃貸管理の専門家として、管理受託契約や入居者対応、建物保守をカバー
- 2021年から国家資格化され、賃貸住宅管理業の「業務管理者要件」に
- 賃貸物件の運営や管理の現場で重宝される資格
▶︎ まずは資格の全体像を知りたい方はこちらの記事へ
「賃貸不動産経営管理士の難易度は?宅建との比較でわかる実態」
▶︎ 資格の使い分けに悩んでいる方はこちらの記事へ
「宅建士と賃貸不動産経営管理士の特徴と向いている人を解説」
宅建士とのダブルライセンスが注目される理由

業務の幅が広がる
- 売買・仲介 × 管理業務で、ワンストップ人材に
- 小規模事業者や管理会社では一人で複数業務をこなせることが強み
宅建士の資格だけでも不動産業界で重宝されますが、実は「売買・仲介」だけではキャリアの可能性が限定されがちです。そこに賃貸不動産経営管理士をプラスすることで、賃貸物件の維持管理・契約更新・入居者対応など、より実務的な分野にも携われるようになります。
特に中小規模の不動産会社では、「売買と賃貸、どちらもできる人材」は非常に貴重です。

営業・契約・管理業務を一人でこなせるプレイヤーとして、社内での存在感も評価も段違いになります。
収入アップ・手当の可能性
- 宅建士手当:月2〜3万円
- 管理士手当:月5,000〜1万円
- ダブル保有で最大月4万円以上の収入差に
資格を活かした「収入アップ」に魅力を感じている社会人は多いはずです。実は、宅建士だけでも月2〜3万円の資格手当を支給している企業は少なくありません。そして賃貸不動産経営管理士も月5,000円〜1万円の手当が設定されているケースがあります。
つまり、ダブルライセンスで月最大4万円、年間で48万円の収入差になることも。

家族持ちや将来のマイホーム資金を考える方にとっては、見逃せない金額ですよね♪
転職市場での評価が高まる
- 「即戦力」としての印象を持たれやすい
- 採用側の「できれば管理もできる人が欲しい」に応えられる
不動産業界では今、「管理業務ができる人材」の需要が急増しています。というのも、近年の賃貸住宅管理業法の改正により、管理業務には国家資格者の配置が義務化されたからです。
採用担当者の本音はこうでしょう。
「できれば、宅建も持ってて、管理業務まで任せられる人が欲しい」
このニーズに応えられるのが、宅建士+賃貸不動産経営管理士のダブルライセンス保有者。

書類選考や面接で一歩リードできるのはもちろん、転職エージェントからのスカウトの質も変わってくる!
「将来の独立」や「副収入」も視野に入る
将来、賃貸物件のオーナー業を目指す方や、不動産会社を立ち上げたい方にも、この組み合わせは最適です。
物件の売買だけでなく、管理・運営のノウハウを体系的に身につけておくことで、「物件を持つ側」の視点でも動ける人材に成長できます。

副業としての家主業、不動産投資を考えている社会人にとっても、この資格の知識は武器になります。
▶︎ 資格の使い分けに悩んでいる方はこちらの記事へ
「宅建士と賃貸不動産経営管理士の特徴と向いている人を解説」
ダブルライセンスの効果とは?(私の勤め先の場合)

「宅建+賃貸不動産経営管理士」で昇進が早まった
私が勤務している不動産管理会社でも、宅建士と賃貸不動産経営管理士のダブルライセンスが評価される場面は少なくありません。
実際、社内の30代男性社員は、宅建士を取得後、さらに専門性を高めるために賃貸不動産経営管理士を取得しました。その直後から、明らかに上司や社内の評価が上がり、オーナー対応や修繕計画の立案など、責任ある業務を任されるようになりました。
その結果、主任から係長へと社内での昇進がスムーズに進み、今ではチームの中核メンバーとして後輩の指導も任されています。

人事評価シートにも「業務の幅が広く、即戦力として頼りになる」と明記されていたそうです♪
賃貸仲介からPM職へ
別の事例として、私の会社に中途入社してきた20代後半の女性社員は、以前は賃貸仲介営業をしていたそうです。彼女は宅建士を持っていましたが、それだけでは管理職にステップアップするのが難しいと感じ、転職活動中に賃貸不動産経営管理士の資格も取得しました。
その意欲とスキルを評価され、面接時にほぼ即決で採用。現在では、PM(プロパティマネジメント)担当としてマンション・アパートの管理を任されており、オーナー対応や修繕計画、入居率アップ施策なども提案できるようになっています。

本人も「賃貸不動経営管理士の知識があったから、建物管理や契約管理のことがすぐに理解でき、スタートダッシュが楽だった」と話していました。
オーナー業を並行して行う社員も
さらに付け加えると、社内には宅建士と賃貸不動産経営管理士の両方を持ち、実際に“オーナー業”も行っている社員が数名います。
彼らは、通常業務で賃貸管理に関わる一方で、自分自身も物件を購入・運用しており、副業として家賃収入を得ています。
たとえば、私の上司の40代の男性社員はアパート3棟を所有しており、入居者対応・修繕手配・賃料設定などを自分でこなしています。宅建と管理士の資格を持っているからこそ、業者に頼らずに自分で対応できる範囲が広く、コストも最小限に抑えられているそうです。
このように、資格が“キャリアアップ”だけでなく、“実益=資産形成”にまで繋がっている事例は、まさにダブルライセンスの価値を示していると言えるでしょう。

資格を持っていたから、買う判断も、運営も迷いがなかった」と本人も語っていました♪
ダブル受験の注意点と対策

受験時期が近い=戦略的なスケジュールがカギ
宅建士と賃貸不動産経営管理士のダブルライセンスを目指すうえで、最も注意すべきポイントは「受験時期が近いこと」です。
- 宅建士試験:毎年10月中旬
- 賃貸不動産経営管理士試験:11月中旬(宅建の約1か月後)
つまり、わずか1か月という短期間で切り替えて学習しなければならないのが大きな壁です。
私のまわりでも「宅建を全力で勉強して、その後1ヶ月だけで賃管士対策を詰め込んだ」という人は多いですが、管理士を“宅建のついで”感覚で挑むと落ちるリスクもあるのが実情です。
実際、社内でも「宅建は受かったのに管理士は落ちた」「両試験に落ちてしまった」という声を何度も聞いています。

宅建より難易度が低いと言われる管理士ですが、油断せず、事前に計画を立てておくことが絶対条件です。
独学での限界と、通信講座を活用すべき理由
独学でダブル合格を目指す方も多いですが、正直に言うと働きながら、2つの国家資格を計画的に対策するのはかなり大変です。
特に以下のような点で、独学は不利になりやすいと感じています。
独学のデメリット
- 法改正や試験傾向の変化を自分で追う必要がある
- 学習範囲の取捨選択が難しい
- 試験日程が近いため、切り替えタイミングを間違えやすい
- 自己流だとモチベーションが続かず、効率も悪い

実際、私の職場の同僚でも「テキストだけ買って独学で挑んだものの、直前期に挫折してしまった」ということがありました。
一方、最近では宅建士と賃貸不動産経営管理士の両方に対応した通信講座も増えており、私の周囲でも「通信講座でW合格できた」という話をよく聞くようになりました。
通信講座を選ぶメリットは以下の通りです
通信講座のメリット
- 出題傾向を分析したカリキュラムで最短距離の学習ができる
- 宅建と管理士、それぞれの切り替えスケジュールが組まれている
- 法改正や頻出テーマをすぐに反映
- スマホでスキマ時間に復習できる

特に「宅建の勉強が終わった直後に管理士対策を切り替えられる動画講義や演習問題」は非常にありがたい存在です。
正直、ダブル受験はおすすめしない
日中は仕事、夜はクタクタ。そんな生活のなかで、宅建と賃貸不動産経営管理士を一気にダブル受験するのは、正直かなり厳しいのが現実です。
試験の時期が近いため、宅建に全集中したあと、わずか1ヶ月で管理士に切り替える必要があり、スケジュール管理も精神的な切り替えも容易ではありません。
実際、私のまわりでも「勉強が中途半端になって両試験とも不合格だった……」という人は少なくありません。
だからこそ、一度に両方を狙う“ダブル受験”よりも、1年ごとに計画的に進めるほうが、結果として合格率も高く、学びの定着度も高くなるのです。
「取れるものは一気に取ろう」と焦る気持ちもわかりますが、忙しい社会人にとっては、長期的視点で“資格を積み上げる”戦略こそが現実的かつ確実な道です。

無理な一発勝負よりも、着実な一歩を積み重ねていきましょう!
▶︎ダブル受験をおすすめしない理由を詳しく知りたい人はこちらの記事へ
【ダブル受験は無理?】宅建士と賃貸経営管理士のダブル受験をおすすめしない理由
ダブルライセンスは将来への投資になる

不動産業界で生き残っていくためには、資格は単なる“肩書き”ではなく、実務に活かせる武器であることが求められます。
宅建士だけでも十分に価値ある資格ですが、そこに賃貸不動産経営管理士を掛け合わせることで、“できる人”としての存在感が一気に増すのは間違いありません。
- 契約も管理もできる「マルチ人材」として社内外で重宝される
- 資格手当や昇進、転職の場面で収入・待遇に差がつく
- ゆくゆくは物件オーナーや独立開業の基礎力にもなる

つまり、ダブルライセンスは今後10年、20年を見据えた「将来への自己投資」。
ダブルライセンスは、確かに時間と努力が必要ですが、それに見合うだけのリターンがあることを、実際の現場や周囲の社員のキャリアを通して私は何度も目にしてきました。
「もっと評価されたい」「将来に備えておきたい」と少しでも思ったら、今が動くタイミングです。
とはいえ、忙しい社会人にとって、2つの資格を独学で同時に攻略するのは簡単ではありません。通信講座の力を借りて“戦略的に”挑戦することも、賢い選択肢の一つです。
チェックポイント