- 宅建士なにをする仕事?
- 資格をとるメリットって?
- 年収はどのくらい?
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引における専門家であり、不動産業界において重要な役割を担う資格です。
宅建士を目指す前に仕事内容とその資格で得られるメリットを知ることはとても重要です。なぜなら目的を間違えてしまうと「資格を取ったのに意味がなかった…」という状況に陥ってしまうことがよくあるからです。
そこで、この記事では、これから宅建士を目指す人が後悔しないように「宅建士資格」の基本情報や資格をとるメリット、難易度などをまとめて解説します。
この記事を読めば「資格をとった意味がなかった…」「あの時に挑戦しておけば良かった…」と失敗することはありません。
宅建士とは不動産取引のプロフェッショナル
宅建士は、不動産の売買や賃貸、仲介などの取引を円滑かつ適正に行うために不可欠な存在で不動産取引に関わる法律的な知識と専門性を持つ国家資格者のことです。
資格を取得することで、不動産の売買や賃貸に関わる専門的な知識と技能を身につけることができます。不動産市場の健全性を維持し、顧客の利益を保護するためにも、宅建士は不可欠な存在です。
宅建士の役割
宅建士は主に以下のような役割を求められています。
- 不動産取引の専門家:契約書の作成、法律基づいたアドバイスなどを行う。
- 顧客の利益保護:不動産取引における顧客の利益を守る役割を果たす。
- 取引の透明性の確保:取引の透明性を高め、不正を防ぐ。
不動産取引は高額になりやすいから、宅建士のような専門家が必要!
宅建士資格の必要性
不動産取引は、高度な専門知識が必要です。宅建士は、以下の点で重要な役割を果たします。
- 法律遵守:不動産取引における法律を理解し、適切に遵守する。
- 取引の安全性確保:顧客が安心して取引できるようにサポートする。
- 市場の健全性の維持:不正な取引の防止に貢献する。
宅建士資格は不動産取引の安全と公正を守るための重要な知識!
宅建士に求められるスキル
宅建士になるためには、以下のスキルと資質が求められます。
- 法律知識:不動産に関する法律の深い理解。
- コミュニケーション能力:顧客や関係者との円滑なコミュニケーション。
- 問題解決能力:発生する問題に対する解決策の提案。
宅建士は責任が求められる仕事が多い!
宅建士の主な仕事内容
宅地建物取引士(通称:宅建士)は、不動産業界において重要な役割を果たす専門職です。
宅建士の仕事や役割は多岐にわたりますが、主に以下のような業務を担います。
- 不動産取引の仲介
- 契約書の作成とチェック
- 契約書の作成とチェック
- トラブルの解決
それぞれ確認していきましょう。
不動産取引の仲介
- 売買・賃貸の仲介:不動産の売買や賃貸契約の仲介を行います。これには価格交渉、契約条件の調整などが含まれます。
- 物件の紹介:顧客の要望に応じて物件を紹介し、物件案内を行います。
顧客のニーズを理解し、それに合った物件を見つけ出す能力が求められます。
契約書の作成とチェック
- 契約書の作成:不動産取引における契約書を作成します。契約書は取引の内容を正確に反映し、双方の権利と義務を明確に定める必要があります。
- 法律遵守のチェック:作成した契約書が不動産取引に関連する法律などに違反していないかを確認します。
例えば不動産登記法や土地建物取引業法などに違反していないかを確認します。
顧客へのアドバイス
- 法律相談:不動産取引に関わる法律的な問題について、顧客にアドバイスを提供します
- 市場情報の提供:不動産市場の最新動向や価格情報を顧客に提供し、適切な情報を伝えます。
法律相談には契約条件の解釈や法的なリスクの評価などが含まれます。
トラブルの解決
- 紛争の仲介:不動産取引におけるトラブルや紛争が生じた場合、その解決のための仲介や調整を行います。
これには、契約違反や条件不一致などの問題が含まれることもあります。
宅建士は、不動産取引における専門家として、売買や賃貸の仲介から契約書の作成、法律相談まで幅広い業務を行います。不動産市場における安全で公平な取引を支える宅建士の存在は、業界にとっても、顧客にとっても非常に重要です。
宅建士のみ許される独占業務
宅建士は、単に物件の仲介をするだけではなく、以下のような重要な役割を果たします。
- 専門知識の提供:不動産取引に関する専門的な知識を提供する。
- 安全で透明な取引の実現:安全かつ透明な不動産取引を実現する。
- 顧客利益の保護:顧客の利益を守るために行動する。
これは、ほとんどの人が不動産に関する専門知識や売買の経験がないため、不当な不動産取引で消費者が損害を被ることがないようにするためです。
そのため、国家資格を持つ「宅建士」が、契約前に必ず「重要事項説明書」の説明をしなければなりません。これは宅建士のみ行える独占業務です。つまり、宅建士がいないと不動産取引の契約をすることができないということです。
宅建士の独占業務は以下の3つです。
- 重要事項の説明
- 重要事項背う名所への記名・押印
- 契約書への記名
それぞれ詳しく確認していきましょう。
①重要事項の説明
宅建士は、不動産取引の前に、契約に重要なことを「重要事項説明書」を用いて、取引内容を詳細に説明します。これは、一般の人が不動産取引の複雑な専門用語や概念を理解できるようにするためです。この説明は、高額な不動産取引における顧客のリスクを軽減するために不可欠です。
不動産取引を行うほぼ全ての場面で必要とされています。
②重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
重要事項の説明では、口頭だけで説明するだけではなく、重要事項が記載された書面を交付しなければなりません。宅建士は、重要事項説明書に自身の記名と押印を行い、説明を行った証明と適正に取引が行われたことを保証します。また、後日トラブルがあった場合に適正に取引が行われたことを担保します。
重要事項説明書は本当に説明したのかを証明するために必ず交付が必要です。
③契約書(37条書面)への記名
契約が成立した後にも契約書(一定の事項を記載した書面)を交付することが義務付けられています。宅建士は、契約書にも記名を行い、取引の内容が正確に反映されていることを保証します。これにより、契約書の法的な有効性が確保され適正な不動産取引がされたことを証明します。
重要事項説明書は本当に説明したのかを証明するために必ず交付が必要です。
宅建士の平均年収について
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産業界の中核をなす専門職であり、その年収は様々な要素により左右されます。ここでは、宅建士の年収に影響を与える具体的な要因、業界の動向、地域差、さらにはキャリアパスによる収入の違いについて解説します。
宅建士の平均年収と影響要因
宅建士の平均年収は、概ね400万円から700万円の範囲内ですが、これは以下のような要因によって変動します。
- 経験年数による影響
- 勤務形態による差異
- 成約件数や取り扱い価格の影響
- 地域差の影響
具体的には以下のとおりです。
経験年数による影響
- 初心者:経験が浅い宅建士の年収は一般的に400万前後。
- 経験豊富な宅建士:経験年数が増えるにつれて、年収は600万以上に達する可能性あり。
勤務形態による差異
- 正社員:安定した収入が見込めるが、上限もある程度固定されています。
- 契約社員:契約内容が影響し、契約条件ごとに変動します。
- 独立開業:成功すれば高収入を得られるが、リスクも伴います。
成約件数や取り扱い価格の影響
- 成約件数:取引の成功件数が多いほど、年収は上昇傾向にあります。
- 取り扱い物件の価格:高価な物件を扱うほど、報酬が増加する傾向があります。
地域差の影響
- 都心部:都市部では不動産取引が活発で、物件価格も高い点で年収が高い傾向があります。
- 地方:地方では取引件数が少ないことが多く、物件価格も低い点で年収も相対的に低めです。
宅建士の年収は、その個人のキャリアパス、勤務形態、業界の動向に大きく左右されます。経験を積むこと、特定分野での専門性を高めること、市場の変化に対応することが収入アップの鍵となるでしょう。また、近年ではデジタル化の進展により、オンラインでの不動産取引が増加し、SNSを利用した集客方法が収入源となることもあります。
宅建士資格は就職や転職市場で有利
宅地建物取引士(宅建士)の資格は、就職や転職市場において大きなアドバンテージをもたらします。
特に特に以下の3つの業界で高いニーズがあります。
- 不動産業界
- 金融業界
- 建設業界
不動産業界
宅建士は不動産業界で最も活躍できます。不動産取引における重要事項の説明や書面への記名など、宅建士でなければできない業務が多数存在します。また、宅建業法により、不動産事務所は5人に1人の割合で宅建士を設置しなければなりません。そのため、事務所存続のために宅建士は欠かせない存在です。
不動産取引を事業とする不動産業界では宅建士の存在が不可欠です。
金融業界
金融業界では不動産を担保にした融資が多いため、宅建士の知識が重宝されます。宅建士のニーズは高く、求人でも歓迎条件として宅建士資格が挙げられることがよくあります。
資産運用に不動産を組み込むためには、不動産市場の知識が不可欠だからです。
建設業界
建設業界では、建築士が家を建てることはできますが、不動産の販売や賃貸には宅建士が必要です。建設会社の中には、自社で不動産取引を行うために不動産部門を設置し、宅建士を雇用するケースもあります。このため、建設業界でも宅建士は非常に重要な役割を担っています。
宅建士資格は、これらの業界での就職やキャリアアップに有利であることが分かります。
宅建士資格は、就職や転職市場において多方面でその価値を発揮します。この資格は、法律知識、信頼性、専門的な顧客対応能力を証明するものとして、不動産業界だけでなく、金融、建築業界など幅広い分野で高く評価されています。宅建士資格を持つことは、就職や転職市場での競争力を高め、キャリアの幅を広げるための重要なステップとなるでしょう。
宅建士試験の概要
宅建試験のスケジュール
宅建試験までのスケジュールは以下のとおりです。
- 7月:試験案内の配布・申込受付開始
- 8月:試験日の通知
- 9月:受験票の発送
- 10月:宅建士試験日
- 11月:合格発表
宅建士試験では特定の学歴や職歴、資格などを必要とせず、年齢や国籍に関係なく、誰でも試験を受けることが可能です。
宅建士試験は、受験資格がなくても誰でも挑戦できる資格です。 そのため、不動産業界への第一歩として、あるいはスキルアップとして、多くの人にとって魅力的な資格です。
申込方法
宅建の申込み方法は、「郵送での申込み」と「インターネットでの申込み」の2つがあります。
郵送での申し込み
郵送申し込みの場合は、まず試験案内を入手する必要があります。試験案内は各都道府県の宅地建物取引業協会や全国の大型書店にあります。不動産推進機構のホームページに配布場所が記載されているので参照してください。
色のついた封筒の中に試験案内と受験申込書が同封されています。
インターネットでの申し込み
マンション管理業協会のホームページで確認しましょう。郵送に比べ期間が短い点に注意してください。インターネットで申し込む場合、デジタルカメラやスマートフォンなどで撮影した顔写真データを送信することになります。
インターネットによる申し込みは24時間利用可能です。
受験料について
- 受験料:8,200円
支払い方法は、「インターネットでの申込み」の場合、クレジットカードによる支払い又はコンビニでの支払いが可能です。また、「郵送での申込み」の場合、指定払込用紙で銀行・ATMから振り込むことで支払います。
インターネットによる申し込みならカード支払いもOK。
宅建士試験の内容
宅建の試験内容は、4つの選択肢の中から、各問題において指定された条件に合致するものを探し出す出題形式です。
いわゆる4択問題というやつです。
本試験では、この4択問題の合計50問を2時間以内に解くことになります。
では、宅建士試験の出題科目とそれぞれの科目と配点を確認しておきましょう。
宅建士の出題科目 | 出題数 |
民法(権利関係) | 約14問 |
法令上の制限 | 約8問 |
宅建業法 | 約20問 |
税・その他 | 約3問 |
免除科目 | 5問 |
免除科目とは、全50問のうち特定の5問が免除される制度です。5問免除を受けるためには、5点免除登録講習修了試験に合格していることが条件となります。
もし、5問免除者で受験する場合は、解答する問題数は45問となり、試験時間も110分と10分短くなります。
5問免除の対象になる範囲は以下です。
- 宅地および建物の需給に関する法令ならびに実務に関する科目
- 土地の形質、地積、地目および種別ならびに建物の形質、構造および種別に関する科目
積極的に5問免除の制度を利用しましょう!
試験の難易度
不動産業界で活躍するためには、資格の取得が有利に働くことは間違いありません。また、不動産の資格を取るのであれば間違いなく宅建士を取得することをお勧めします。
以下の表は、不動産4冠資格の合格率を比較したものです。その中で、宅建士の合格率は15%~17%となっています。この数字は10人に1人か2人しか合格できない計算になります。
資格名 | 合格率 |
マンション管理士 | 8%~9% |
宅建士 | 15%~17% |
管理業務主任者 | 20%~23% |
賃貸不動産経営管理士 | 29%~31% |
宅建は受験者数が多い人気の資格なので、あなたの周りにも合格者は意外と多くいるのではないでしょうか。そのため、一見、少し頑張れば合格できそうな資格に思うかもしれません。しかし、不動産4冠資格の合格率を比較してみると実はそこまで簡単な資格ではないことがわかります。
宅建士試験は思っているよりも難しい!
確実に合格を目指すなら独学よりも通信講座がおすすめ
「宅建士試験の合格を目指す」その過程で、自分に合った学習方法は何か、どのように勉強を進めていくべきなのかを悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私自身、宅建士試験には独学で合格することができましたが、実は合格するまでに4回も挑戦しています。それは決して自慢できるようなものではありませんでした。
毎年、宅建士試験の合格率は15%前後で推移しています。一見独学でも簡単に合格を目指せる資格のように思えます。しかし、受験経験者の中には「何度挑戦しても合格できない人」が多く見られることも事実です。その 理由は、宅建士試験の出題範囲が広く、民法などの読解が難しい問題が多いからです。
確かに、努力をすれば誰でも合格を勝ち取れる試験であること間違いありません。しかし、それは 出題傾向の分析など正しい勉強をした結果です。このことから宅建士試験は独学で簡単に合格できる資格とは言えません。
宅建士試験は出題傾向の分析が重要!
独学と通信講座、それぞれにはメリットとデメリットがあります。それぞれを見据え、自分の状況と合わせて最適な方法を選びましょう。
独学のメリット・デメリット
独学のメリットは以下のとおりです。
- 費用が安く済む
- 自由に学習スケジュールを組むことができる
独学の最大の魅力は、何と言ってもそのコスト効率の良さです。 参考書や過去問集さえあれば、基本的には追加の出費は必要ありません。 また、自分のペースで進められるのも魅力的です。 夜型の方、仕事が忙しい方でも、自分の好きな時間に学習を進められます。
独学のデメリットは以下のとおりです。
- 適切な勉強ができない。
- 過去問だけの勉強に偏ってしまう。
- すべて自分で調べなければならない為、勉強時間を確保する必要がある。
独学の最大の難点は、正しい勉強方法で学習できているのかがわからないこと。自分一人で出題範囲を確認し、正しい学習計画を立てる、理解度をチェックするなど、全て自分で行う必要があります。自己管理が難しい人には、通信講座がおすすめです。
通信講座のメリット・デメリット
通信講座のメリットは以下のとおりです。
- 効率的で適切な勉強ができる。
- 試験に合格するための知識を確実に得られる。
- 短期合格も目指せる。
通信講座の大きな魅力は、その「確実性」です。 講座が提供するカリキュラムは、試験範囲をしっかりと網羅し、出題傾向を分析した上で作成されています。 これにより、試験に必要な知識を確実に身につけることができます。
通信講座のデメリットは以下のとおりです。
- 独学よりも費用がかかってしまう
通信講座のデメリットはその費用です。独学と比べて費用がかかりますが、それを補うだけの価値があります。
通信講座のデメリットは費用のみ!比較的リーズナブルな講座もあるので確認してみましょう!