- 「宅建を持っているけど、賃貸不動産経営管理士まで取る意味はある?」
- 「宅建だけで十分なのでは?」
- 「2つ持っていると転職や給与でメリットがある?」
すでに宅建を取得している人の中には、次の資格として賃貸不動産経営管理士を取るべきか迷っている人もいるでしょう。
結論から言うと、賃貸管理の仕事に関わる人や、勤務先で資格手当がある人なら、宅建と賃貸不動産経営管理士の両方を取得する意味はあります。
私自身、宅建士と賃貸不動産経営管理士の両方を取得しています。
実際に取得して感じたメリットは、知識やキャリアの幅が広がったことだけではありません。
私の場合は両資格に資格手当がついたため、実際に給与も増えました。
一方で、宅建を持っているすべての人が、賃貸不動産経営管理士まで取る必要があるとは思いません。
この記事では、宅建取得後に賃貸不動産経営管理士を取るメリットや、向いている人・取らなくてもよい人について、実体験を交えて解説します。
宅建と賃貸不動産経営管理士は何が違う?
宅建と賃貸不動産経営管理士は、どちらも不動産業界で活かせる国家資格ですが、得意とする分野が異なります。
| 項目 | 宅建 | 賃貸不動産経営管理士 |
| 主な分野 | 不動産取引 | 賃貸住宅管理 |
| 学ぶ内容 | 宅建業法・民法・法令上の制限など | 賃貸住宅管理業法・賃貸管理・設備・維持保全など |
| 活かしやすい仕事 | 売買・賃貸仲介・不動産管理など | 賃貸管理・PMなど |
| 特徴 | 不動産業界で幅広く活かしやすい | 賃貸管理分野との相性がよい |
宅建は、不動産の売買や賃貸など不動産取引全般に活かしやすい資格です。
一方、賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理や建物・設備、管理実務など、賃貸管理分野により特化した資格です。
つまり、
- 宅建=不動産取引
- 賃貸不動産経営管理士=賃貸住宅管理
という違いがあります。
両方取得すると、不動産取引と賃貸管理の両方の知識を持てることになります。
▶ 宅建と賃貸不動産経営管理士はどっちが転職に有利?仕事内容・資格の違いを比較
宅建取得後に賃貸不動産経営管理士を取るメリット
宅建を持っている人が、さらに賃貸不動産経営管理士を取得するメリットは主に4つあります。
賃貸管理の知識を深められる
宅建でも民法や賃貸借について学びますが、賃貸管理実務を中心に勉強する資格ではありません。
賃貸不動産経営管理士では、以下のような知識を学びます。
- 賃貸住宅管理業法
- 管理受託契約
- 賃貸借
- 建物・設備
- 維持保全
- 原状回復
- 賃貸管理実務
そのため、賃貸管理会社やPMなどで働いている人なら、宅建だけではカバーしきれない知識を補いやすくなります。

私自身も不動産管理の仕事をしていますが、賃貸管理に関する知識を体系的に整理できることはメリットだと感じています。
転職・キャリアの選択肢を広げやすい
宅建だけでも、不動産業界では幅広い仕事に活かせます。
そこに賃貸不動産経営管理士を加えることで、以下のような職種と相性がよくなります。
- 賃貸管理会社
- 不動産管理会社
- PM(プロパティマネジメント)
- 賃貸仲介会社
資格だけで転職が決まるわけではありませんが、宅建+賃貸管理の知識を持っていることを示せるのはメリットです。
特に今後、売買・仲介だけでなく賃貸管理までキャリアの幅を広げたい人には相性のよい組み合わせです。
▶ 宅建士の仕事内容・年収・将来性|資格を活かせる仕事とキャリアを解説
資格手当で給与が増える場合がある
個人的に大きかったのが、資格手当です。
私の勤務先では宅建だけでなく、賃貸不動産経営管理士にも資格手当がありました。
そのため、両方取得したことで毎月の給与が増えました。
資格を取る目的はキャリアアップだけではありません。
会社によっては、資格取得=毎月の固定収入アップにつながることがあります。
私の勤務先では、賃貸不動産経営管理士に月1万円の資格手当が設定されており、年間では12万円になります。
資格を持っている限り支給される会社なら、長期的には取得費用や教材代を回収できる可能性があります。
そのため、次の資格を考えるときは、「その資格が役立つか」だけでなく「勤務先に資格手当があるか」も確認してみるとよいでしょう。
宅建で勉強した知識を活かせる
宅建取得者は、賃貸不動産経営管理士をゼロから勉強する人よりもスタートしやすいです。
特に、民法・賃貸借・契約に関する基礎知識などは宅建で学んだ内容を活かせます。
もちろん、賃貸不動産経営管理士には設備や維持保全、賃貸管理実務など独自分野があります。
それでも、一度法律系資格の勉強を経験している人なら、初めて不動産資格を勉強する人より取り組みやすいでしょう。
▶ 賃貸不動産経営管理士の難易度は?宅建との比較でわかる実態を解説
宅建を持っていれば賃貸不動産経営管理士はいらない?
「宅建があるなら、賃貸不動産経営管理士はいらないのでは?」と思う人もいるでしょう。
これは、何のために資格を取るかによって変わります。
宅建は不動産業界で幅広く活かせる資格なので、宅建だけでも十分な人はいます。
例えば、
- 売買仲介を中心に働いている
- 今後も賃貸管理に関わる予定がない
- 資格手当がない
- 他に優先したい資格がある
という場合は、無理に賃貸不動産経営管理士まで取得する必要はないでしょう。
一方、
- 賃貸管理会社で働いている
- PM・管理業務に関わっている
- 賃貸管理分野に転職したい
- 勤務先に資格手当がある
という人なら、取得するメリットは大きくなります。
つまり、宅建があるから不要なのではなく、自分の仕事・給与・キャリアにメリットがあるかで判断するのがおすすめです。
業務管理者が目的なら賃貸不動産経営管理士は必須ではない
賃貸不動産経営管理士を検討する理由として、「業務管理者になるために必要なのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、一定の要件を満たした宅建士も、指定講習を修了することで業務管理者になる方法があります。
そのため、業務管理者になることだけが目的なら、必ずしも賃貸不動産経営管理士を取得しなければならないわけではありません。
ただし、資格として賃貸管理の知識を体系的に身につけたい人や、勤務先で評価・資格手当の対象になっている人なら、取得する意味はあります。
- 業務管理者になりたいのか
- 賃貸管理の専門性を高めたいのか
- 転職に活かしたいのか
- 資格手当を増やしたいのか
資格取得の目的を、このような基準で分けて考えると判断しやすいでしょう。
宅建と賃貸不動産経営管理士のダブルライセンスが向いている人
私なら、次のような人にはダブルライセンスをおすすめします。
| 状況 | おすすめ度 |
| 賃貸管理会社で働いている | 高い |
| PM・賃貸管理業務に関わっている | 高い |
| 勤務先に賃管士の資格手当がある | 高い |
| 賃貸管理会社へ転職したい | 高い |
| 不動産資格を増やして専門性を高めたい | あり |
| 売買仲介だけを続ける予定 | 優先度低め |
| 賃貸管理に関わる予定がない | 優先度低め |
特に、資格手当がある人は一度検討してみる価値があります。
毎月の資格手当が積み上がれば、数年単位ではそれなりの金額になります。
資格取得に必要な勉強時間と、取得後に得られるメリットを比較して考えてみるとよいでしょう。
宅建を持っている人なら賃貸不動産経営管理士は勉強しやすい?
宅建取得者は、賃貸不動産経営管理士の勉強を始めやすいです。
特に民法や賃貸借など、すでに学習経験のある分野では有利になります。
ただし、「宅建に合格したから、賃貸不動産経営管理士も簡単に受かる」と考えるのはおすすめしません。
賃貸不動産経営管理士には、宅建とは異なる分野があります。
そのため、宅建の知識を土台にしながら、賃管士独自の分野を追加で勉強するイメージです。
これから両方取る人は同じ年に狙うべき?
すでに宅建を持っている人なら、この問題はありません。
一方、これから宅建と賃貸不動産経営管理士の両方を取得しようとしている人は、無理に同じ年に狙う必要はないと思います。
宅建と賃貸不動産経営管理士は試験時期が近く、それぞれ独自分野の対策も必要だからです。
両方とも初学者なら、まず1資格に集中する方が勉強しやすいでしょう。
ダブル受験するか迷っている人は、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 宅建と賃貸不動産経営管理士のダブル受験は無理?おすすめしない理由と受験順を解説
宅建と賃貸不動産経営管理士はどちらを先に取る?
これから両資格を取る人なら、特に理由がなければ宅建から先に取得する方法がおすすめです。
宅建は不動産業界で幅広く活かしやすく、宅建で学ぶ民法や賃貸借の知識を賃貸不動産経営管理士にも活かせるからです。
ただし、必ず宅建から取らなければならないわけではありません。
例えば、次のような場合は、賃貸不動産経営管理士から取得してもよいでしょう。
- 賃貸管理会社で働いている
- 賃管士の資格手当がある
- 仕事で早く必要になっている
資格取得の順番は、一般的な評価だけでなく、自分にとってどちらを先に取るメリットが大きいかで決めるのがおすすめです。
著者の本音|私は両方取ってよかった
私自身は、宅建と賃貸不動産経営管理士の両方を取ってよかったと思っています。
知識が増えたことももちろんですが、私の場合は資格手当が大きかったです。
宅建と賃貸不動産経営管理士を合わせて月3万円、年間36万円の資格手当がついたため、給与面ではかなりメリットを感じました。
一方、資格としての優先度は、私は宅建の方が高いと感じています。
宅建士は設置義務があるため、不動産業界で必要とされる場面が多い資格です。
賃貸不動産経営管理士は、業務管理者になるための唯一のルートではありません。
それでも、賃貸管理の知識を体系的に学んだ証明として、資格を持つ意味はあると思います。
そのため、宅建を持っている人全員に、「次は必ず賃貸不動産経営管理士を取るべき」とは思いません。
売買仲介を続けるなら、別の資格や実務経験を優先した方がいい場合もあります。
私なら、現在の仕事で使えるか、転職に活かせるか、資格手当があるかの3つを見て判断します。
このうち2つ以上に当てはまるなら、賃貸不動産経営管理士を取る価値は十分あると思います。
賃貸不動産経営管理士を取るなら独学でも合格できる?
宅建に合格している人なら、賃貸不動産経営管理士は独学で挑戦する選択肢もあります。
すでに資格勉強の経験があり、民法など一部の知識を活かせるからです。
ただし、設備や賃貸管理実務などは新しく勉強する必要があります。
まずはテキストと過去問を使い、「宅建で知っている分野」と「賃管士で初めて学ぶ分野」を分けると勉強しやすくなります。
特に新しく学ぶ分野に時間を多めに使う方が効率的です。
独学で難しいと感じた場合は、通信講座を検討してもよいでしょう。
▶【独学は無理?】賃貸不動産経営管理士試験の実体験から独学のメリット・デメリットを解説
まとめ|宅建+賃貸不動産経営管理士は賃貸管理で活かしやすい

宅建を持っている人が賃貸不動産経営管理士まで取得する意味はあります。
特に、次のような人には相性のよい組み合わせです。
- 賃貸管理会社で働いている
- PM・管理業務に関わっている
- 賃貸管理会社へ転職したい
- 勤務先に資格手当がある
私自身も、両資格を取得したことで知識が広がっただけでなく、資格手当によって実際に給与が増えました。
一方、賃貸管理に関わる予定がなく、勤務先で資格手当もないのであれば、無理に取得する必要はないと思います。
大切なのは、「宅建を持っているから次は賃管士」ではなく、「賃管士を取ることで自分にどんなメリットがあるか」で判断することです。
仕事・転職・資格手当のどれかにつながるのであれば、宅建取得後の次の資格として、賃貸不動産経営管理士は十分検討する価値があります。