【宅建士の難易度は？】独学で合格することが難しい3つの理由を徹底比較！

宅建士試験は、不動産取引に関する専門知識を問われる国家資格であり、不動産業界での信頼と地位を築くためには欠かせないものです。しかし、この試験を独学で挑戦するには多くの難点が存在します。

何も考えずに独学で挑戦してしまうと、「難しすぎて合格できる気がしない…」と間違いなくモチベーションの低下につながってしまいます。

私は宅建士試験に独学で合格することが出来ましたが、合格するまでに3度も失敗してしまいました。

今思えば独学にこだわらずに最初から通信講座を利用しておけば1度目の試験で合格できたと後悔しています。

この記事では、宅建試験に3度失敗した自身の経験から、試験の難しさの理由を踏まえて独学で合格を目指す難しさを解説します。

この記事を読めば、私と同じように「何度も独学で失敗してしまう」ようなことはありません。

独学が難しい3つの理由

宅建士試験は、不動産取引における法律や実務知識を問う国家資格試験です。試験内容は、不動産登記法、民法、商法などの法令知識から実際の不動産取引に関する実務知識まで幅広く、合格には高いレベルの知識が求められます。

特に独学で挑戦するには以下の点に注意が必要です

①専門用語の多さ

宅建士試験で出題される専門用語は、不動産業界特有のものが多く、一般的な日常生活ではほとんど使われることがないので初学者にとっては非常に理解しにくいものです。これらの用語を正確に理解し、記憶することが試験合格のための重要なステップとなります。

②試験範囲の広さ

宅建の試験内容は、4つの選択肢の中から、各問題において指定された条件に合致するものを探し出す出題形式です。本試験では、この4択問題の合計50問を2時間以内に解くことになります。

宅建士試験の出題科目とそれぞれの科目と配点を確認しておきましょう。

宅建士の出題科目	出題数
民法(権利関係)	約14問
法令上の制限	約8問
宅建業法	約20問
税・その他	約3問
免除科目	5問

民法(権利関係): 約14問

不動産取引における基本的な権利関係に関する知識が問われます。

法令上の制限: 約8問

建築基準法など、不動産取引に影響を及ぼす各種法令に関する問題です。

宅建業法: 約20問

宅建業者の行う業務に適用される法律に関する深い理解が求められます。

税・その他: 約3問

不動産取引に伴う税金や、その他の関連知識が試されます。

免除科目: 5問

景品表示法、統計、土地・建物に関する問題です。

宅建の難しさは出題範囲の広さです。合格には各分野で得点できる広い知識が必要になります。それぞれの科目に対しての配点が少いので、出題頻度を分析して勉強をすることが合格のポイントになります。

私は独学で挑戦して4度目の試験でようやく合格することができました。振り返ってみると、過去問ばかりを繰り返して根本的な理解ができていなかったと思います。独学をしていた当時はそのことに全く気づきませんでした。

③6割が法令問題｜暗記で合格は無理

宅建士試験の出題科目とそれぞれの科目と配点を確認しておきましょう。

宅建士の出題科目	出題内容	出題数
民法(権利関係)	民法が中心	約14問
法令上の制限	都市計画法、建築基準法	約8問
税・その他	不動産取得税、固定資資産税、地価公示	約3問
宅建業法	宅建業法、住宅瑕疵担保履行法	約20問
免除科目	景品表示法、統計、土地・建物	5問

宅建士試験は不動産取引に関わる法令や関連知識が幅広く必要な試験であり、不動産系資格の中でも出題範囲の広さが際立っています。

特に試験全体の28％占める民法は法律の独特な言い回しで読解が難しく感じるケースが多いです。しかし、問われていることは基礎的な内容です。過去問を繰り返すことで独特の言い回しに慣れることが攻略のポイントになります。

この法令問題を攻略するためには、まず法律の成り立ちから理解しなければなりません。「法律が作られた背景」の理解こそ、民法を突破するために必要な知識です。

民法や区分所有法などの法令問題は、馴染みのない用語や法律が多いので途中で挫折してしまう人が多いです。

また、テキストや過去問で用語や法律を学習するとなると、何度もテキストと過去問を読み込むなど理解できるまでに十分な学習時間を確保する必要もあります。

不動産4冠資格と難易度を比較

「不動産4冠資格」とは、不動産業界において特に重要とされる4つの資格のことを指します。これらは不動産の取引、管理、運用などにおける専門知識を証明するもので、業界内でのキャリアアップや専門性の向上に役立ちます。

具体的には以下の資格が含まれます。

これらの資格は、不動産業界においてそれぞれ異なる分野の専門性を認められたものであり、不動産に関連する幅広い業務において重要な役割を果たします。

その中でも、宅建士は最も知名度があり人気のある資格です。不動産資格の中では中間の難易度だと言われていますが、果たしてそれはどの程度の難しさなのでしょうか。

合格率で見ると難易度は高め

資格名	合格率
マンション管理士	8％～9％
宅建士	15％～17％
管理業務主任者	20％～23％
賃貸不動産経営管理士	29％～31％

宅建士の合格率は15％～17％で、不動産4冠資格で比べると難易度は「やや難しい」です。

最も難しいマンション管理士（8％～9％）と比べると易しいものの、賃貸不動産経営管理士（29％～31％）よりは難しいと言えます。宅建士は難易度が高い方に属すると言えますが、最も難しいわけではありません。

一見、少し頑張れば合格できそうにも思えますが、合格率が15％～17％ということは、ざっくり言って100人が受験しても、合格するのは15人から17人だけということです。

多くの人が合格できない理由の一つは、宅建試験には不動産に関する法律、経済、実務知識など、広範囲にわたる知識が求められることにあります。

試験を突破するためには、これらの分野についてしっかりと勉強し、理解を深める必要があります。

必要な勉強時間を比較

試験に挑戦する上で、必要な勉強時間は重要な要素の一つです。各資格の必要な勉強時間を知ることで、自身の学習計画を立てる上で参考になります。

宅建士と他資格との勉強時間を比較し、その特徴を知りましょう。

他資格との比較表は以下のとおりです。

資格名	必要な勉強時間の目安
マンション管理士	500～700時間
宅建士	300～400時間
管理業務主任者	300時間
賃貸不動産経営管理士	100時間

宅建士は不動産関連の資格の中では比較的多くの勉強時間が必要な資格の一つであると言えます。ただし、マンション管理士よりは時間が少なく、管理業務主任者とはほぼ同等です。

資格取得に向けての勉強プランを立てる際には、300～400時間を目安として考えると良いでしょう。

ただし、これはあくまでも目安であり、個々の基礎知識や理解度、学習効率によって必要な時間は変わります。

そのため、自身のレベルを確認しながら、効率的な学習計画を立てることが大切です。勉強時間にこだわるのではなく、質の高い学習も心がけましょう。

受験者数を比較

資格取得の動向を掴む一つの指標として、各資格の受験者数を比較することは有効です。 受験者数はその資格の人気や必要性、また受験者の質などを見る上で重要な情報となります。

宅建士試験と他の資格との間で受験者数を比較し、その意味を探りましょう。

他資格との比較表は以下のとおりです。

資格名	令和5年度の受験者数
マンション管理士	11,158名
宅建士	233,300名
管理業務主任者	14,652名
賃貸不動産経営管理士	31,687名

この表から明らかなことは、宅建士試験の受験者数が圧倒的に多いという事実です。この高い受験者数は、宅建士が不動産業界で広く認識されていること、およびその資格が業界内でのキャリアアップや専門性の向上に大きく寄与することを示しています。

結果、宅建士が最も人気のある資格であり、他資格と比べて競争率が非常に高い資格だと言えます。

宅建士の合格ラインは高い

資格取得を目指す際には、その試験の過去の結果や傾向を理解することが重要です。その情報に基づいて検討し、勉強計画を立てることで、より効率的な学習が可能になります。

宅建士試験の過去の経過を分析し、合格ラインの動きについて考えてみましょう。

宅建士の過去推移

以下の表は、平成26年(2014)から令和5年(2023)までの過去10年間の宅建士試験の受験者数、合格率、合格点の推移を示しています。

年度	受験者数	合格率	合格点
平成26年 (2014)	192,029名	17.5％	32点
平成27年 (2015)	194,926名	15.4％	31点
平成28年 (2016)	198,463名	15.4％	35点
平成29年 (2017)	209,354名	15.6％	35点
平成30年 (2018)	213,993名	15.6％	37点
令和元年 (2019)	220,797名	17.0％	35点
令和2年/10月 (2020)	168,989名	17.6％	38点
令和2年/12月 (2020)	35,261名	13.1％	36点
令和3年/10月 (2021)	209,749名	17.9％	34点
令和3年/12月 (2021)	24,965名	15.6％	34点
令和4年 (2022)	226,048名	17.0％	36点
令和5年 (2023)	233,276名	17.2％	36点

宅建士試験の合格点は年度によって変動しますが、過去10年間のデータを見ると、合格点は31点から38点の範囲でした。

まず、目標としては35点～38点を安定して得点できるように勉強することが大切です。

しかし、合格点の最高点が過去に38点だったことを考慮すると、安全を期して40点以上を目指すのが最も安全な戦略だと言えます。

このように、安全圏内は±38点で合格ラインは思ってるよりも高い試験だと考えておくべきです。

合格のポイントは宅建業法と民法の攻略

宅建士試験全体の出題数は50問ですが、その内訳を見ると、以下のような特徴があります。

宅建試験の出題科目と各配点は以下のとおりです。

科目	出題数
民法(権利関係)	約14問
法令上の制限	約8問
宅建業法	約20問
税・その他	約3問
免除科目	5問

宅建試験は「民法」と「宅建業法」の2科目で試験全体の68％を占めています。まず、この2科目を攻略しないことには合格は難しいと言えるでしょう。

そのためには、出題傾向と出題頻度の分析が重要です。とは言っても、過去問を解いただけで、出題傾向や出題頻度を分析することは難しいものです。 特に自分一人で分析しようとすると、視野が広くなり、無駄な勉強をしてしまう可能性があります。

【完全攻略法】宅建士試験の出題傾向と対策！勉強時間を徹底解説！

【失敗談】独学にこだわったこと

私は4度目の試験でやっと合格することができました。当時はテキストを読み込んで、過去問も完璧な状態で自信を持って試験に挑みましたが、気づけば3度も失敗してしまいました。

独学で勉強するデメリットは以下の通りです。

1.試験に出題される範囲や重要度が分からない

管理業務主任者試験は幅広い分野の知識が求められます。

しかし、独学で勉強する場合、どの分野の論点が試験に出るか、どれくらいの割合で出るか、どの程度で理解する必要があるかなどが分かりにくいです。

そのため、重要なところを見落としたり、必要以上に細かいところに時間をかけたりすることがあります。

2.自分の理解度や記憶力が客観的に分からない

独学で勉強する場合、自分がどれくらいのレベルに達しているか、どこが得意でどこが苦手か、どこをもっと復習すべきかなどが客観的に分かりにくいです。

自己採点や自己添削をすることはできますが、正しい答えや解説がなければ、自分の間違いや不足を見つけることは難しいです。

特に過去問ばかりの学習だと「理解したつもり」になってしまう状況に陥りやすいです。

3.解説やアドバイスが得られない

独学で勉強する場合、分からないことや疑問に思ったことがあっても、誰にも聞くことができません。本やインターネットで調べることはできますが、それでも理解ができない場合があります。

こうなってしまうと「答えだけを覚える」という方法をとってしまい、理解できていないまま試験に挑むことになり結果として得点できないという状況に陥ってしまいます。

また、独学は自分の勉強法や試験対策について、専門家や経験者からの解説やアドバイスが得られません。

これは、効果的な勉強法を見つけることやモチベーションを保つことが難しくなる要因になります。

4.勉強の計画や進捗が管理しにくい

独学で勉強する場合、自分で勉強の計画や進捗を管理する必要があります。

しかし、自分で管理するのは意外と大変です。何から始めるべきか、どれくらいのペースで進めるべきか、どれくらいの時間を割くべきかなどを決めるのは簡単ではありません。

また、自分で管理するとなると、ついサボったり、遅れたり、焦ったりすることがあります。

きちんと学習計画を立てて進捗管理ができれば、たまには息抜きをしつつ学習することもできるし、試験直前に焦りだしたりすることはありません。

5.孤独感や不安感が強くなる

独学で勉強する場合、他の受験者との交流や情報交換が少なくなります。これは、孤独感や不安感を強くすることがあります。

特に、試験に近づくにつれて、自分の勉強が足りているか、試験に合格できるかなどの不安が増してきます。

これは、精神的な負担やストレスになります。

確実に合格したいなら通信講座がおすすめ

宅建士試験に合格するには民法と宅建業法で得点できる広い知識が必要になります。特にこの2科目で得点できなければ試験合格はまず難しいでしょう。そして何より出題頻度を分析して勉強をすることが合格への近道です。

宅建試験の民法は暗記だけで合格することが出来ません。各項目の根本的な理解も必要になるため、専門用語に馴染みがない初心者にとっては難易度が高い試験です。

宅建士試験の出題科目とそれぞれの科目と配点を確認しておきましょう。

宅建士の出題科目	出題数
民法(権利関係)	約14問
法令上の制限	約8問
宅建業法	約20問
税・その他	約3問
免除科目	5問

また、宅建士試験に独学で挑戦する際には、想像以上に学習時間の確保が必要になることも想定しておきましょう。

独学で合格を目指すには以下の点に注意が必要です。

宅建士試験は独学にこだわりすぎると合格ができません。私は4度目の試験でやっと合格することができました。しかし、最初から通信講座を利用しておけば1度目の試験で合格できたと後悔しています。

独学にこだわりすぎると、以下のようなデメリットがあります。

宅建士試験は過去問を使って学習さえすれば合格できるような単純な試験ではありません。

一方、通信講座なら専門家が作成したテキストや動画で、論点のポイントや出題傾向を解説してくれるため勉強がが苦手な人でも簡単に学習することが可能です。

特に、学習時間の確保が難しい人や、独学に不安な人は積極的に通信講座を利用することをおすすめします。

通信講座のメリットは以下の通りです。

1.試験に出題される範囲を網羅的に学べる

通信講座では、試験に出題される範囲をカバーする教材が提供されます。教材は、分野やトピックごとに分かりやすくまとめられており、重要なポイントや覚えやすいコツが記載されています。

また、教材は定期的に更新されるため、最新の試験傾向に対応できます。

通信講座では、試験に出題される範囲をカバーする教材が提供されます。教材は、分野やトピックごとに分かりやすくまとめられており、重要なポイントや覚えやすいコツが記載されています。

また、教材は定期的に更新されるため、最新の試験傾向に対応できます。

2.カリスマ講師の解説やアドバイスを受けられる

通信講座では、実力派講師達のが作成した解説やアドバイスが提供されます。

解説やアドバイスは、教材だけでは分からない細かい点や疑問点を解決するだけでなく、勉強法や試験対策なども教えてくれます。また、通信講座では、講師に直接質問するサービスがあることも魅力でした。

3.過去問題や模擬試験を解いて自己採点や添削ができる

通信講座では、過去問題、小テスト、模擬試験などが提供されます。過去問題や模擬試験は、実際の試験と同じような難易度や傾向の問題が出題されるため、試験に慣れる効果があります。

また、過去問題や模擬試験は、自己採点や添削ができるため、自分の得意分野や苦手分野を把握することができます。さらに、過去問題や模擬試験の解答や解説も提供されるため、間違えた問題や不足している知識を補うことができます。

4.勉強の計画や進捗を管理できる

通信講座では、勉強の計画や進捗を管理するツールが提供されます。ツールは、試験までの日数や残りの教材や問題の量などを表示し、自分に合ったペースで勉強することをサポートします。

また、ツールは、自分の勉強時間や正答率などをグラフや表で可視化し、自分の成果や課題を確認することを助けます。

5.他の受講者と交流や情報交換ができる

通信講座では、他の受講者と交流や情報交換ができるコミュニティが提供されます。コミュニティでは、他の受講者と勉強の悩みや相談、励ましや応援などを共有することができます。

また、コミュニティでは、他の受講者からのアドバイスや教えてもらったコツなども得ることができます。

少しでも独学に不安を感じたら、無理せず通信講座などを検討してください。

試験勉強は気力と体力が必要です。できることなら短期で合格したいです。私は独学に拘りすぎで3度も試験に失敗してしまいした。

一日に使える学習時間は限られています。いつまでに合格したいのかを考えて自分に合った学習方法で合格を目指しましょう！