管理業務主任者とは?仕事内容・年収・難易度・将来性を合格者が徹底解説

管理業務主任者とは?仕事内容・年収・難易度・将来性を合格者が徹底解説
  • 「管理業務主任者って、どんな仕事をする資格?」
  • 「資格を取れば転職や年収アップにつながる?」
  • 「難易度は高い?宅建より難しいの?」

管理業務主任者に興味を持っても、仕事内容や資格を取るメリットがよく分からず、「本当に取る意味があるの?」と迷う人も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、管理業務主任者はマンション管理業界で働くなら取得する価値の高い国家資格です。

マンション管理会社には一定数の管理業務主任者を配置する義務があり、重要事項の説明や管理事務の報告など、管理業務主任者でなければできない業務もあります。

一方で、資格を取るだけで必ず年収が上がったり、転職に成功したりするわけではありません。

私は宅建士を取得したあと管理業務主任者に挑戦しましたが、独学で2回不合格になり、3回目の試験でようやく合格しました。

実際に資格を取得して感じるのは、簡単に取れる資格ではない一方、マンション管理業界を目指す人や、不動産業界で専門性を高めたい人には活かしやすい資格だということです。

この記事では、

  • 管理業務主任者とはどんな資格なのか
  • 仕事内容
  • 年収や転職への効果
  • 将来性
  • 資格を取るメリット・デメリット
  • 試験の難易度・合格率
  • 独学と通信講座のどちらを選ぶべきか

までまとめて解説します。

これから管理業務主任者を目指すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

管理業務主任者とはマンション管理会社に必要な国家資格

管理業務主任者とは、マンション管理会社が管理組合から管理業務を受託するときに、契約内容の説明や管理事務の報告などを担当する国家資格者です。

マンションでは、区分所有者によって構成される管理組合が建物を管理します。

しかし、

  • 建物・設備の維持管理
  • 管理費・修繕積立金の会計
  • 総会・理事会の運営
  • 管理委託契約
  • 大規模修繕

など、マンション管理には幅広い知識が必要です。

そこで実際には、多くの管理組合がマンション管理会社へ管理業務を委託しています。

管理業務主任者は、管理会社と管理組合をつなぎ、適切なマンション管理を支える専門家と考えると分かりやすいでしょう。

国土交通省も、管理業務主任者について、管理受託契約の重要事項説明から管理業務の処理状況の確認・報告まで、マンション管理のマネジメント業務を担う資格としています。

管理会社には一定数の管理業務主任者を置く必要がある

管理業務主任者の大きな特徴が、マンション管理会社に設置義務があることです。

原則としてマンション管理業者は、事務所ごとに、管理事務の委託を受けている30管理組合につき1人以上の専任の管理業務主任者を置かなければなりません。

例えば、以下のようなイメージです。

管理組合数必要な管理業務主任者
1~30組合1人以上
31~60組合2人以上
61~90組合3人以上

つまり、管理会社が受託する管理組合を増やしていくためには、管理業務主任者の確保も必要になります。

この「一定数を配置しなければならない」という仕組みが、管理業務主任者の資格価値を支えている大きな理由の一つです。

管理業務主任者には資格者でなければできない業務がある

管理業務主任者は、単に「マンション管理について詳しい人」というだけではありません。

法律上、管理業務主任者が担当することとされている業務があります。

代表的なのは以下です。

  • 管理受託契約前の重要事項説明
  • 重要事項説明および関係書面への記名
  • 管理組合に対する管理事務の報告

これらは一般に、管理業務主任者の「独占業務」と呼ばれています。

特に重要事項説明や管理事務報告は、管理会社と管理組合との契約・運営に直接関わる重要な業務です。

そのため、マンション管理会社にとって管理業務主任者は、単なる資格保有者ではなく、事業を行うために必要な人材といえます。

なお、試験に合格しただけでは管理業務主任者としてこれらの業務を行えるわけではありません。

管理業務主任者として業務を行うには、試験合格後に登録を行い、管理業務主任者証の交付を受ける必要があります。

管理業務主任者の仕事内容は管理組合のサポートが中心

管理業務主任者の勤務先として代表的なのがマンション管理会社です。

実際の仕事では、資格者しかできない業務だけを行うわけではありません。

マンション管理会社のフロント担当者として、管理組合の運営を幅広くサポートするケースが多くあります。

主な仕事内容は、以下の通りです。

  • 管理組合の総会・理事会の運営サポート
  • 管理費・修繕積立金などの収支確認
  • 建物・設備の維持管理
  • 修繕工事の提案や調整
  • 管理会社との契約に関する説明
  • 居住者からの相談・トラブル対応
  • 管理組合への管理状況の報告

マンション管理の仕事というと「建物を点検する仕事」と思われることがありますが、実際には人との調整や管理組合運営のサポートが非常に大きな割合を占めます。

管理組合の役員、居住者、工事業者など多くの関係者と調整しながらマンションを運営していく仕事です。

そのため、法律や建物の知識だけでなく、説明力・調整力・コミュニケーション能力も求められます。

管理業務主任者の年収は資格だけでは決まらない

管理業務主任者について調べている人の中には、「資格を取ったら年収はいくらになる?」と気になっている方も多いと思います。

実際の求人を見ると、マンション管理の仕事では年収400万円~500万円台を中心とした募集が見られます。

ただし、管理業務主任者には資格保有者だけを対象とした統一的な年収基準があるわけではありません。

実際の年収は、次のような条件によって大きく変わります。

  • 勤務する会社
  • 経験年数
  • 担当するマンション数
  • 役職
  • 地域
  • 保有資格

そのため、「管理業務主任者を取れば年収500万円になる」と考えるのはおすすめしません。

一方で、管理会社によっては管理業務主任者に資格手当を設定していたり、昇格要件としていたりする場合があります。

また、転職時にも、マンション管理の実務経験+管理業務主任者という組み合わせになれば評価されやすくなります。

管理業務主任者は、資格だけで一気に高年収を狙うというより、マンション管理業界で経験を積みながらキャリアアップするために使う資格と考える方が現実的です。

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管理業務主任者は転職にも活用しやすい

管理業務主任者は、マンション管理会社への転職を考えている人とも相性の良い資格です。

理由は大きく3つあります。

管理会社に設置義務がある

管理業務主任者は、管理会社が一定数確保する必要があります。

そのため、資格をまったく必要としない民間資格とは性質が違います。

実務に直結する知識を学べる

管理業務主任者試験では、

  • 民法
  • 区分所有法
  • 標準管理規約
  • 管理委託契約
  • 会計
  • 建築・設備

などを学びます。

マンション管理の実務と関係する内容が多いため、業界未経験者にとっても「マンション管理について勉強している」ことを示しやすい資格です。

宅建など他資格とも組み合わせやすい

不動産業界では、以下のような複数の資格を活用できます。

  • 宅建士
  • 管理業務主任者
  • マンション管理士
  • 賃貸不動産経営管理士

特に宅建士と管理業務主任者を取得すれば、売買・賃貸だけでなくマンション管理まで知識の幅を広げられます。

管理業務主任者の需要や転職での活かし方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

▶ 転職に有利!管理業務主任者資格の需要と将来性を解説!

管理業務主任者には今後も一定の需要が期待できる

これから人口が減っていけば、マンション管理の仕事も減るのでは?と心配する人もいるかもしれません。

しかし、管理業務主任者の仕事は、新築マンションが増えるかどうかだけで決まるものではありません。

日本では既存マンションの高経年化が進んでおり、以下のようなマンション管理に関する課題は複雑になっています。

  • 建物・設備の老朽化
  • 大規模修繕
  • 修繕積立金不足
  • 管理組合役員の高齢化
  • 区分所有者間の合意形成

マンションが存在する限り、建物を維持し、管理組合を運営していく必要があります。

そのため、マンション管理に関する専門知識を持つ人材の重要性は今後も続くと考えられます。

加えて、管理会社には管理業務主任者の設置義務があります。

将来性だけを理由に資格を取る必要はありませんが、マンション管理業界で働きたい人にとっては、今後も活用しやすい資格でしょう。

管理業務主任者を取るメリット

管理業務主任者を取得する主なメリットは以下の4つです。

マンション管理会社への転職で活かせる

管理業務主任者は、マンション管理会社への転職で活かしやすい資格です。

特に実務経験と組み合わせることで、より評価されやすくなります。

資格手当や昇格につながる場合がある

会社によっては資格手当が支給されたり、管理業務主任者の取得が昇格要件になっていたりする場合があります。

実務経験と組み合わせることで、年収アップにつながる可能性があります。

マンション管理の専門知識が身につく

区分所有法や標準管理規約、管理委託契約などは、マンション管理の実務に直結する知識です。

資格取得後も仕事で活用できます。

マンション管理士へのステップになる

管理業務主任者とマンション管理士は試験範囲が大きく重複しています。

さらに、管理業務主任者試験の合格者はマンション管理士試験で一部科目の免除を受けられます。

そのため、管理業務主任者→マンション管理士という順番でダブルライセンスを狙う方法もあります。

一方で「管理業務主任者は意味ない」と感じる人もいる

管理業務主任者は価値のある資格ですが、すべての人に必要な資格ではありません。

例えば、次のような場合だと、取得後に「思っていたほど役に立たなかった」と感じる可能性があるため注意しましょう。

  • マンション管理業界で働く予定がない
  • 資格を取れば自動的に年収が上がると思っている
  • 資格取得だけを目的にしている

大切なのは、資格を取ること自体ではなく、「取得した資格を何に使うのか」を考えることです。

管理業務主任者を取得して後悔しやすい人や、実際の資格価値については以下の記事で詳しく解説しています。

▶ 【管理業務主任者は意味ない?】後悔する人の特徴3選と“本当の価値”

著者の本音|管理業務主任者は合格率ほど簡単ではない

管理業務主任者試験の合格率は20%前後あるため、数字だけを見ると「そこまで難しくない資格」に見えるかもしれません。

私自身も、すでに宅建士を取得していたこともあり、最初は「宅建より合格率が高いなら何とかなるだろう」と考えていました。

しかし、結果は独学で2回不合格。

実際に受験して感じたのは、管理業務主任者は合格率ほど簡単な試験ではないということです。

特に難しかったのが、区分所有法とマンション標準管理規約です。

似たような内容が多い一方で、細かな違いまで問われるため、曖昧に覚えているだけでは点数が安定しません。

また、民法・会計・建築設備など出題範囲も広く、過去問を繰り返すだけでは対応しきれない部分もありました。

私は3回目の受験で通信講座を使って、ようやく合格できました。

その経験から、管理業務主任者は十分に合格を狙える資格ではあるものの、片手間の勉強で簡単に受かる試験ではないと感じています。

合格率はおおむね20%前後

管理業務主任者試験の合格率は、長期的に見るとおおむね20%前後で推移しています。

令和7年度試験では、合格率19.6%、合格基準点は50問中36問でした。

数字だけを見ると宅建より合格率は高めですが、合格率だけで難易度を判断することはできません。

実際に両方受験した経験からも、管理業務主任者には宅建とは違う難しさがあると感じました。

宅建と管理業務主任者の難易度を詳しく比較したい方はこちらも参考にしてください。

▶ 【管理業務主任者と宅建士を徹底比較】難しい資格はどっち?

2026年度の管理業務主任者試験は12月6日

2026年度(令和8年度)の管理業務主任者試験は、以下の日程で実施されます。

項目内容
試験日2026年12月6日(日)
試験時間13:00~15:00
Web申込8月3日~9月30日
受験手数料8,900円
受験資格制限なし

管理業務主任者試験には、年齢・学歴・実務経験などの受験資格はありません。

そのため、不動産業界未経験者でも挑戦できます。

なお、試験日や申込期間は年度によって変わる可能性があるため、受験時はマンション管理業協会の最新情報を確認してください。

管理業務主任者は独学でも合格できる

管理業務主任者は独学でも合格可能です。

市販のテキストや過去問題集も充実しているため、次のような人なら独学でも十分に合格を狙えます。

  • 学習計画を自分で立てられる
  • 分からない部分を自分で調べられる
  • 毎日継続して勉強できる

一方で、管理業務主任者は試験範囲が広いため、すべてを完璧に勉強しようとすると時間が足りなくなります。

重要なのは、「どこを重点的に勉強して、どこを捨てるか」を判断することです。

私自身はこの判断がうまくできず、宅建取得後にもかかわらず独学で2回不合格になりました。

独学で勉強しているものの、

  • 点数が伸びない
  • 過去問を繰り返しても理解できない
  • 区分所有法や標準管理規約が整理できない

という方は、一度勉強方法を見直した方がいいかもしれません。

私が独学で2回落ちた原因については、以下の記事で詳しく解説しています。

▶ 【独学は無理?】管理業務主任者に2回落ちた私が感じた限界と対策

独学が厳しいなら通信講座を使うのも選択肢

管理業務主任者に合格するために、必ず通信講座を利用する必要はありません。

独学で合格する人も多くいます。

ただし、次のような人は通信講座を利用するメリットがあります。

  • 仕事が忙しく勉強時間が少ない
  • 法律の勉強が初めて
  • 独学で点数が伸びていない
  • 何を優先して勉強すればいいか分からない
  • 一度不合格になっている

通信講座の強みは、単に講義動画を見ることではありません。

試験に必要な範囲があらかじめ整理されているため、自分で学習範囲や優先順位を判断する時間を減らせることにあります。

私自身も、独学から勉強方法を変えたことで3回目の受験で合格できました。

ただし、通信講座にも、費用面や講師との相性など注意も必要です。

そのため、「通信講座ならどこでもいい」ではなく、自分の勉強スタイルに合った講座を選ぶことが重要です。

管理業務主任者向けの通信講座を比較したい方は、以下の記事で詳しくまとめています。

管理業務主任者に合格したらマンション管理士も狙える

管理業務主任者に合格したあと、次のステップとしておすすめなのがマンション管理士です。

管理業務主任者とマンション管理士は、試験範囲が大きく重なります。

さらに、管理業務主任者試験の合格者は、マンション管理士試験で5問の免除を受けることができます。

私は先に管理業務主任者に合格し、その後マンション管理士に挑戦しました。

その結果、管理業務主任者の勉強で身につけた知識と5問免除を活用し、マンション管理士には1回で合格することができました。

そのため、両方の資格を取りたい人には、まず管理業務主任者に合格→翌年マンション管理士という順番もおすすめです。

ただし、最初からダブル受験した方がいいとは限りません。

両資格のダブル受験についてはこちらで詳しく解説しています。

▶ 管理業務主任者とマンション管理士のダブル受験をおすすめしない3つの理由

まとめ|管理業務主任者はマンション管理業界で活かしやすい国家資格

管理業務主任者は、マンション管理会社で働くうえで活用しやすい国家資格です。

ポイントをまとめると、次のような特徴があります。

  • 管理会社には一定数の管理業務主任者を置く必要がある
  • 資格者が担当する重要な業務がある
  • マンション管理会社への転職で活かせる
  • 実務経験と組み合わせればキャリアアップにつながりやすい
  • マンション管理に必要な法律・会計・設備知識を学べる
  • 管理業務主任者合格後はマンション管理士も狙いやすい

一方で、「資格を取れば必ず転職できる」「資格だけで年収が大きく上がる」という資格ではありません。

管理業務主任者の価値を最大限活かすには、資格取得後にマンション管理の実務経験を積むことが重要です。

また、試験の合格率は20%前後ありますが、決して簡単な試験ではありません。

私は宅建士を取得したあとに挑戦しましたが、独学では2回不合格になりました。

だからこそ、これから受験する方には、「合格率が高そうだから何となく受ける」のではなく、自分に合った勉強方法を早めに決めることをおすすめします。

独学で進めるのか、通信講座を利用するのか迷っている方は、まず各講座の特徴や費用を比較してみてください。

▶ 管理業務主任者の通信講座おすすめ4選|社会人が失敗しない選び方と費用・合格率を比較