マンション管理士は意味ない?仕事がない・役に立たないと言われる理由と資格の活かし方

マンション管理士は意味ない?仕事がない・役に立たないと言われる理由と資格の活かし方
  • 「マンション管理士って取っても意味ない?」
  • 「難しい資格なのに、仕事がないって本当?」
  • 「独占業務がないなら、取るメリットはある?」

マンション管理士について調べていると、「意味ない」「仕事がない」「やめとけ」といった意見を目にすることがあります。

実際、マンション管理士は宅建士や管理業務主任者と異なり、資格者だけに認められた独占業務はありません。

そのため、「難しい試験に合格しても、仕事につながらないのでは?」と感じる人がいるのも無理はありません。

私自身、不動産業界で働きながら、宅建士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者・マンション管理士の不動産4資格を取得しました。

現在はマンション管理会社ではなく、不動産管理の実務に携わっています。

その立場から感じるのは、マンション管理士は「取ればすぐ仕事や年収につながる資格」ではない一方、実務経験と組み合わせることで専門性を高められる資格だということです。

この記事では、

  • マンション管理士が意味ないと言われる理由
  • 本当に仕事がないのか
  • マンション管理士を活かせる仕事
  • 独立・副業で使えるのか
  • 資格を取るメリット
  • 取得する意味が薄い人

まで、実務経験と資格取得経験をもとに解説します。

結論|マンション管理士は意味ない資格ではない

最初に結論からいうと、マンション管理士は意味のない資格ではありません。

ただし、「資格を取得すれば、それだけで転職・年収アップ・独立につながる」と考えているのであれば、期待とのズレが生じやすい資格です。

マンション管理士は、専門知識をもとに管理組合や区分所有者からの相談に応じ、管理組合運営や建物の管理について助言・指導などを行う専門家です。試験合格後、登録することでマンション管理士を名乗ることができます。

一方で、マンション管理士だけに認められた独占業務はありません。

つまり、「資格そのものに仕事が付いてくるタイプではない」ということです。

マンション管理士の価値は、資格+実務経験+専門分野を組み合わせたときに発揮されやすいと考えた方が分かりやすいでしょう。

活かし方マンション管理士との相性
マンション管理会社高い
管理組合へのコンサル・支援高い
不動産売買比較的高い
賃貸管理比較的高い
賃貸仲介限定的
独立・副業経験や集客力が必要
まつたけ風味
まつたけ風味

資格だけで考えるのではなく、自分がどの仕事で知識を使うのかまで考えることが重要です。

マンション管理士が「意味ない」と言われる5つの理由

マンション管理士が意味ないと言われる主な理由は5つあります。

① 独占業務がない

最大の理由は、マンション管理士には独占業務がないことです。

宅建士であれば、重要事項説明など資格者でなければできない業務があります。

管理業務主任者にも、マンション管理会社における重要事項説明など資格者が関わる業務があります。

一方、マンション管理士は名称独占資格であり、「マンション管理士」と名乗るには資格・登録が必要ですが、相談やコンサルティングそのものを資格者だけが独占しているわけではありません。

そのため、「せっかく難しい試験に合格しても独占業務がないなら意味がない」と言われることがあります。

ただし、独占業務がないことと、資格や知識に価値がないことは別の話です。

マンション管理士には、管理組合運営・区分所有法・管理規約・建物設備など、マンション管理に特化した専門知識があります。

その知識をどう仕事に組み合わせるかが重要になります。

② 資格を取っただけでは仕事が増えにくい

マンション管理士を取得しても、自動的に仕事が紹介されるわけではありません。

「試験に合格した=マンション管理士としてすぐ稼げる」と考えていると、取得後にギャップを感じる可能性があります。

これはマンション管理士が「仕事がない」と言われる理由の一つでしょう。

③ 難易度に対して資格の効果が分かりにくい

マンション管理士は、不動産資格の中でも難易度が高い試験です。

私自身、管理業務主任者に合格した後にマンション管理士を受験しましたが、それでも簡単な試験とは感じませんでした。

それだけ勉強しても、

  • 独占業務がない
  • 必置資格ではない
  • 資格を取っただけで年収が大きく上がるわけではない

となれば、「勉強時間に見合わないのでは?」と感じる人がいるのも理解できます。

マンション管理士と宅建士の難易度や勉強時間の違いについては、こちらで詳しく比較しています。

▶ マンション管理士と宅建士はどっちが難しい?合格率・勉強時間を比較

④ 一般的な知名度は宅建士ほど高くない

不動産資格の中では、「宅建」の方が一般的には知られていると感じます。

一方でマンション管理士は、

  • マンション管理会社
  • 管理組合
  • 区分所有者
  • 不動産業界

など、マンション管理に関わりがある人には認識されやすい資格です。

そのため、誰にでも分かりやすく評価される資格というより、専門分野で価値が伝わりやすい資格と考えた方が近いでしょう。

⑤ 資格だけで転職を有利にしようとすると期待外れになりやすい

マンション管理会社への転職では資格が評価材料になることがありますが、資格だけですべてが決まるわけではありません。

実際には、

  • 不動産業界での経験
  • 管理業務経験
  • 顧客対応経験
  • 管理組合対応経験
  • 他の不動産資格

などとの組み合わせが重要です。

そのため、「マンション管理士を取れば未経験でも一気に有利になる」と考えるより、「これまでの経験に専門性を加える資格」として考える方が現実的です。

マンション管理士は本当に仕事がない?

「マンション管理士 仕事がない」と検索する人もいますが、資格を活かせる仕事自体がないわけではありません。

マンション管理士は、管理組合や区分所有者からの相談に応じ、管理規約・修繕・組合運営などについて助言や支援を行う専門家です。

ただし、資格を持っているだけで自動的に仕事が生まれるわけではありません。

実際に活かしやすい仕事について、次で詳しく見ていきます。

マンション管理士を活かせる仕事

マンション管理士は、マンション管理業界だけでなく、不動産業界のさまざまな仕事で知識を活かすことができます。

マンション管理会社

最も資格との相性が良いのはマンション管理会社です。

マンション管理会社では、

  • 管理組合対応
  • 理事会・総会支援
  • 管理規約
  • 長期修繕計画
  • 建物設備
  • 区分所有法

など、マンション管理士試験で学ぶ内容と実務が直結しています。

ただし、マンション管理会社で働くうえでは、管理業務主任者の方が直接的に必要になる場面が多いことには注意が必要です。

マン管と管業のどちらから取得するか迷っている方は、こちらも参考にしてください。

▶ マンション管理士と管理業務主任者のダブル受験をおすすめしない理由

管理組合へのコンサル・支援

マンション管理士本来の専門分野です。

管理組合や区分所有者から相談を受け、

  • 管理規約
  • 総会・理事会
  • 修繕
  • 管理会社との契約
  • 管理組合運営

などについて支援します。

マンションは、多くの区分所有者によって所有されるため、合意形成や法律関係が複雑になりやすい特徴があります。

そのような場面で専門知識を持つマンション管理士が活用されます。

不動産売買

分譲マンションを売買する場合にも、マンション管理士の知識は役立ちます。

例えば、

  • 管理規約
  • 修繕積立金
  • 長期修繕計画
  • 管理組合の運営状況
  • 共用部分
  • 大規模修繕

などです。

マンションは室内だけを見て価値を判断できるわけではありません。

建物全体の管理状態も重要です。

売買仲介の仕事では宅建士の方が直接的に必要となる資格ですが、マンション管理士の知識があれば、分譲マンションについてより深く理解できるというメリットがあります。

賃貸管理

私自身が特に活かせると感じるのが、賃貸管理です。

賃貸管理では一棟の賃貸マンションだけでなく、分譲マンションの一室を賃貸管理するケースもあります。

その場合、

  • 管理規約
  • 使用細則
  • 共用部分
  • 管理組合
  • マンション管理会社

との関係を理解する必要があります。

例えば、分譲マンションでは賃貸借契約上は問題がなくても、管理規約上は禁止されているケースもあります。

所有者に代わって管理組合や管理会社とやり取りする場面でも、マンション管理の知識が役に立ちます。

私自身もマンション管理会社勤務ではありませんが、マンション管理士試験で学んだ知識が実務で役立つ場面はあります。

資格そのものを使うというより、資格取得までに身につけた知識を使っている感覚に近いです。

賃貸仲介

賃貸仲介でも、特に分譲マンションを扱う場合には知識が役立ちます。

例えば、

  • ペット
  • 駐車場
  • 共用施設
  • リフォーム
  • バルコニー
  • 楽器
  • 使用細則

など、そのマンション独自のルールがあります。

ただし、賃貸仲介だけを目的としてマンション管理士を取得する必要性は高くありません。

宅建士などを優先したうえで、さらにマンション分野の知識を深めたい人が取得する資格と考えた方がよいでしょう。

マンション管理士は副業・独立に使える?

マンション管理士は、独立して管理組合などを支援することも考えられます。

例えば、

  • 管理規約の見直し支援
  • 理事会・総会運営支援
  • 管理会社変更の支援
  • 長期修繕計画に関する相談
  • 管理組合の顧問

などです。

ただし、資格を取得しただけですぐ副業収入を得られるとは考えない方がよいでしょう。

マンション管理士という資格は専門性を示す材料にはなりますが、仕事を取ってくる力まで資格が与えてくれるわけではありません。

そのため、副業目的だけで取得を考えている場合は、資格取得後まで含めて考えておく必要があります。

マンション管理士を取得するメリット

それでも、マンション管理士を取得するメリットはあります。

マンション管理の専門知識が身につく

最大のメリットはこれだと思います。

特に区分所有法と標準管理規約を深く勉強することで、マンション特有の権利関係や管理の仕組みを理解できるようになります。

不動産実務の専門性を広げられる

宅建士が不動産取引を中心とした資格なのに対し、マンション管理士はマンションを維持・管理していく側の知識が中心です。

そのため、宅建+マンション管理士あるいは、管理業務主任者+マンション管理士のように組み合わせることで知識の幅を広げることができます。

専門性や知識の裏付けとして信用につながりやすい

実務経験だけでは、外部から専門分野が分かりにくいことがあります。

マンション管理士を取得していれば、「マンション管理について一定の専門知識を学んでいる」ことを示す材料になります。

特に不動産業界やマンション管理に関わる人からは、資格の難易度や専門性を理解してもらいやすく、信用につながる場面もあります。

もちろん資格だけで実務能力すべてを証明できるわけではありません。

それでも、経験と組み合わせれば専門性を伝えやすくなるでしょう。

逆にマンション管理士を取る意味が薄い人

マンション管理士は誰にでもおすすめできる資格ではありません。

例えば、次のような人は優先順位を考えた方がよいでしょう。

不動産業界への転職だけが目的の人

不動産業界への転職を目的にするのであれば、まず宅建士の方が活用できる範囲は広いでしょう。

マンション管理士はより専門的な資格です。

まだ宅建士を持っていない人で、「不動産資格を何か一つ取りたい」という段階なら、先に宅建士を検討した方がよいケースもあります。

▶ マンション管理士と宅建士はどっちが難しい?合格率・勉強時間を比較

資格手当や昇進だけを目的にしている人

マンション管理士の資格手当や評価の扱いは、勤務先によって大きく異なります。

そのため、「難関資格だから資格手当や昇進につながるはず」という理由だけで取得を目指すと、期待とのズレが生じる可能性があります。

資格手当や社内評価を目的にする場合は、勤務先の制度を事前に確認しておいた方がよいでしょう。

短期間で収入アップにつなげたい人

マンション管理士は、短期間で収入を増やすための資格とは言いにくいです。

資格を活かすには、実務経験やキャリアなどと組み合わせる必要があります。

そのため即効性を求める人には合わない可能性があります。

著者の本音|4冠取得者が感じるマンション管理士の価値

私は不動産業界で働きながら、宅建士 → 賃貸不動産経営管理士 → 管理業務主任者 → マンション管理士と資格を取得してきました。

その中で感じるのは、マンション管理士の価値は、知識だけではなく、「マンション管理について専門的に学んでいる人」と見てもらいやすいことにもあるということです。

実際に不動産業界の方と話していると、「マンション管理士も持っているんですね?」と言われることがあります。

マンション管理士は宅建士ほど一般的に知られている資格ではありませんが、マンション管理や不動産に関わる人には資格の難しさや専門性を理解している方もいます。

そのため、資格を持っていること自体が、専門性や知識の裏付けとして信用につながる場面はあると感じています。

一方で、マンション管理士は、「資格を持っているからこの業務ができる」という場面が多い資格ではありません。

私自身も資格そのものを使うというより、資格取得までに身につけた知識を不動産管理の実務で使っている感覚に近いです。

つまり、私がマンション管理士を取得して感じた価値は、「実務で使える知識」と「専門性を示せる信用」の両方です。

そのため、

  • マンション管理会社で働いている
  • 不動産管理に携わっている
  • 分譲マンションを扱う
  • 将来、管理組合支援に関わりたい
  • 宅建や管業からさらに専門性を高めたい

という人には、取得する意味のある資格だと感じています。

マンション管理士の取得を決めたら勉強方法も考えよう

マンション管理士は独学でも合格できますが、区分所有法・標準管理規約・民法・設備など出題範囲が広く、苦戦しやすい試験です。

特に、次のような場合は、勉強方法を見直した方がよいでしょう。

  • 区分所有法と標準管理規約が混同する
  • 過去問を解いても理解できない
  • 勉強しても合格点に届かない

独学を続けるか迷っている方はこちら。

▶ マンション管理士の独学は無理?独学が厳しい5つの理由と通信講座を使う判断基準

一度不合格になり、再受験を考えている方はこちら。

▶ マンション管理士試験に落ちたらどうする?不合格後にやることと再受験の勉強法

また、通信講座を比較したい方はこちらでまとめています。

▶ マンション管理士の通信講座おすすめ4選|社会人が失敗しない選び方と費用・合格率を比較

まとめ|マンション管理士は経験と組み合わせて活かす資格

マンション管理士は、「意味ない」「やめとけ」と言われることがあります。

しかし、マンション管理士は、管理組合運営・区分所有法・管理規約・建物管理などを幅広く学ぶ専門資格です。

特に、

  • マンション管理会社
  • 不動産管理
  • 不動産売買
  • 管理組合支援

などの仕事では、資格取得で身につけた知識を活かせる場面があります。

私自身もマンション管理会社勤務ではありませんが、マンション管理士を取得したことで、不動産管理の仕事で役立つ知識を身につけることができました。

そのため、「マンション管理士を取れば人生が変わる」という資格ではありませんが、「これまでの不動産経験に、マンション管理の専門知識と信用を加えたい人」にとっては、十分取得する意味のある資格だと感じています。

これから取得を考えている方は、「資格を取ること」を目的にするのではなく、取得後にどの仕事で活かしたいのかまで考えて挑戦してみてください。