マンション管理士試験は、法律や建築、管理などの幅広い知識が求められる難易度の高い試験です。この試験に合格するためには、まずは管理業務主任者試験に合格することがとても重要です。
何も考えずに試験に挑戦してしまうと「いつまでも試験に合格できない…」という結果に陥ってしまいます。
私は、独学で管理業務主任者試験に2度失敗しました。その経験からマンション管理士試験は通信講座を利用して見事一発で合格をすることができました。
今でも独学で挑戦せずに通信講座の学習を選択して本当に良かったと感じています。
マンション管理士は無理せずに通信講座を利用しましょう。
この記事では、管理業務主任者とマンション管理士のダブルライセンスを取得した自身の経験から、マンション管理士試験の難易度と独学で合格を目指す難しさを解説します。
この記事を読めば、「独学で挑戦して後悔した…」と失敗することはありません。
マンション管理士試験の合格ラインの過去推移
以下の表は、平成25年(2013年)から令和4年(2022年)までの10年間のマンション管理士試験の受験者数、合格率、合格点の推移を示しています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
平成25年 (2013) | 15,383名 | 1,265名 | 8.2% | 38点 |
平成26年 (2014) | 14,937名 | 1,260名 | 8.4% | 36点 |
平成27年 (2015) | 14,092名 | 1,158名 | 8.2% | 38点 |
平成28年 (2016) | 13,737名 | 1,101名 | 8.0% | 35点 |
平成29年 (2017) | 13,037名 | 1,168名 | 9.0% | 36点 |
平成30年 (2018) | 12,389名 | 975名 | 7.9% | 38点 |
令和元年 (2019) | 12,021名 | 991名 | 8.2% | 37点 |
令和2年 (2020) | 12,198名 | 1,045名 | 8.6% | 36点 |
令和3年 (2021) | 12,520名 | 1,238名 | 9.9% | 38点 |
令和4年 (2022) | 12,209名 | 1,402名 | 11.5% | 40点 |
この表から、マンション管理士試験の合格点は例年37点前後で推移していることがわかります。 また、令和4年では過去最高点の40点を記録しました。
このように、安全に合格するためには±38点を目安に得点する必要があります。±38点を目指すということは、かなり正確な知識が必要である試験だと言えます。
出題範囲が広範囲なマンション管理士試験で38点となると正直独学は厳しい…
5点免除者の割合
マンション管理士試験の合格者の中で管理業務主任者に合格をしている5点免除者の割合はどの程度なのかが気になるところですが、公的に示したデータはありません。
しかし、資格の特徴を考えると、マンション管理士試験に挑戦する受験者の約半数以上は再受験者で、その中の4割程度は5点免除者である可能性が高いと推測します。
再受験者と5点免除者が多いと思われる理由は以下のとおりです。
- 管理業務主任者とのダブル受験
- 管理業務主任者からのステップアップ
また、マンション管理士試験を受験する人は、すでにマンション管理の実務経験を持つ人や、既に宅建や管理業務主任者に合格している専門的な知識を持つ人が多いです。このため、マンション管理士試験は不動産4冠資格の中でも非常に競争率が非常に高い試験になっています。
初心者でマンション管理士だけに挑戦する人は非常に少ないです。初心者が簡単に合格できる試験ではないことに十分注意しましょう。
合格に必要な勉強時間は約700時間
マンション管理士試験と他資格との勉強時間を比較してみると、どれだけ時間の確保が必要になるかが分かりやすいです。不動産4冠資格の勉強時間を比べてみましょう。
比較表は以下のとおりです。
資格名 | 必要な勉強時間の目安 |
マンション管理士 | 500~700時間 |
宅建士 | 300~400時間 |
管理業務主任者 | 300時間 |
賃貸不動産経営管理士 | 100時間 |
人気資格の宅建士の目安の勉強時間300~400時間なのに対して、マンション管理士の勉強時間は約700時間です。この数字を見ればマンション管理士試験が簡単に合格できる資格であるとは言えません。勉強時間の確保が難しい人にとってはかなり厳しいと言えます。
独学で挑戦する場合は、自身で分からない箇所を調べたりする必要があります。そのため、勉強時間が700時間以上必要になってしまうことも想定しておきましょう。
一方、通信講座であれば、試験に出題されるポイントを重点的に学習することが出来ます。時間の確保が難しい人ほど通信講座を利用することをおすすめします。
勉強時間を見ると、独学で挑戦するには長期的な勉強になる覚悟が必要です。
【マンション管理士と宅建士】難しい資格はどっち?試験の難易度とその理由を徹底比較!
試験の難しさは出題範囲の広さ|ポイントは区分所有法の理解
出題範囲と各配点
結論からいうと、マンション管理士の難しさは出題範囲の広さです。合格には各分野で得点できる広い知識が必要になります。特に区分所有法の出題数が非常に多く、区分所有法の出題傾向を分析して勉強をすることが合格のポイントになります。
出題範囲と配点は以下のとおりです。
科目 | 分野 | 管理業務主任者 | マンション管理士 |
民法・その他の法令 (宅建業法・品確法) | 法令 | 約10問 | 約6問 |
区分所有法 | 法令 | 約6問 | 約12問 |
標準管理規約 | 法令 | 約8問 | 約8問 |
マンション管理適正化法 | 法令 | 5問 | 5問 |
標準管理委託契約書・会計 | 管理事務 | 約9問 | 4問 |
建築・設備 | 建築・設備 | 約12問 | 15問 |
この表から、マンション管理士試験が全体の約6割が法令系の問題で出題されていることがわかります。また、管理業務主任者と比べると区分所有法の科目に配点が集中していることがわかります。
マンション管理士の区分所有法は、管理業務主任者の区分所有法の問題と比べてさらに細かい知識を問われる傾向にあります。普段あまり馴染みのない分野でもある為、たとえ管理業務主任者の合格者であったとしても、区分所有法に対する根本的な理解ができていないと合格することは出来ません。
マンション管理士試験は合格ラインも非常に高い試験なので、この区分所有法で得点を落としてしまうことは致命的となってしまいます。
マンション管理士試験での合格の鍵は区分所有法の攻略です。
暗記だけでは合格はできない|試験の6割が法令問題
マンション管理士試験の分野
マンション管理士試験は全体の6割が法令問題で構成されています。そのため、法令問題の独特な言い回しに慣れていない初心者にとっては難易度は非常に高いと言えます。
マンション管理士試験の試験範囲は以下のとおりです。
科目 | 分野 | 出題数 |
民法・その他の法令 (宅建業法・品確法) | 法令 | 約6問 |
区分所有法 | 法令 | 約12問 |
標準管理規約 | 法令 | 約8問 |
マンション管理適正化法 | 法令 | 約5問 |
標準管理委託契約書・会計 | 管理事務 | 4問 |
建築・設備 | 建築・設備 | 15問 |
法令問題を攻略するためには、まず法律の成り立ちから理解しなければなりません。「法律が作られた背景」の理解こそ、マンション管理士試験に合格するために必要な知識です。
民法や区分所有法などの法令問題は、馴染みのない用語や法律が多いので途中で挫折してしまう人も多いです。また、テキストや過去問で用語や法律を学習するとなると、何度もテキストと過去問を読み込むなど十分な学習時間を確保する必要があります。
法令問題は、テキストや過去問を読み込んでも独学ではなかなか理解できない事が多いです。
初心者はまず管理業務主任者試験に合格して、基礎知識を身に付けてからマンション管理士に挑戦しましょう。
私は、宅建士合格者でしたが、区分所有法という馴染みのない分野に関してはイメージができすに理解することが難しかったです。
私は宅建士の合格者でしたが、マン管よりも易しいはずの管理業務主任者試験に2度も失敗しました。
マンション管理士試験は区分所有法が非常に難しい
マンション管理士試験は全体の6割が法令問題です。民法だけでも十分に難しいですが、特に区分所有法と標準管理規約の理解は試験に合格するためには重要なります。
区分所有法と標準管理規約の特徴は以下のとおりです。
区分所有法とは
マンションで円滑な共同生活を送るため、住人の財産を守るために作られた法律。
必ず守らなければならない最低限の決まり事。
標準管理規約とは
マンションの維持・管理、住人が完全に生活を送るための基本的なルールを定めた管理規約の標準モデル
法律で定められていない物事を補うための決まり事。
簡単にいうと標準管理規約は区分所有法をベースにして作られたマンションに住むためのルールです。
区分所有法と標準管理規約の違い
区分所有法と標準管理規約と相違点を理解するためには、区分所有法だけではなく標準管理規約というマンション管理運営上必要不可欠な規則も学習しなければいけません。
「標準管理規約」が「区分所有法」よりも厳しい場合や緩い場合、あるいは異なる内容になっている場合があります。そのため、「標準管理規約」と「区分所有法」の相違点を把握することが重要。
管理業務主任試験ではこの相違点をよく狙って出題してきます。例えは次のような内容です。
総会(集会)の招集期間
- 区分所有法では1週間前に招集しなければならないとされている。
- 標準管理規約ではこれでは短すぎるので2週間前と定められている。
共用部分の持分割合の計算方法
- 区分所有では内のり計算
- 標準管理規約では壁心計算
本試験ではこういった細かい箇所を入れ替えたひっかけ問題が多いです。
区分所有法は、条文や用語に加えて標準管理規約との相違点などの多くの情報を覚える必要があり、単に知識を暗記するだけでは応用ができずに不十分になってしまう可能性があります。
区分所有法と標準管理規約の相違点は数えきれないほどあります。すべてを覚えることは不可能です。学習する際はよく狙われている相違点をおさえましょう。
独学で過去問ばかりを解いていても標準管理規約と区分所有法の違いに気づく事はなかなかできません。そして参考書では法律や規約の成り立ちまで説明してくれることがありません。一方で通信講座であればそういったポイントを解説してくれるため確実に合格に近づくことができます。
独学だと過去問の学習に偏って根本的な理解ができません。私は通信講座で合格しました。
確実に合格を目指すなら通信講座がおすすめ
マンション管理士試験に合格するには各分野で得点できる広い知識が必要になります。それぞれの科目に対しての配点が少ないので、出題頻度を分析して勉強をすることが合格のポイントになります。
しかし、マンション管理士試験は暗記だけで合格することが出来ません。各項目の根本的な理解も必要になるため、専門用語に馴染みがない初心者やマンション管理業務に馴染みがない人にとっては難易度が非常に高い試験です。
マンション管理士試験の試験範囲は以下のとおりです。
科目 | 分野 | 出題数 |
民法・その他の法令 (宅建業法・品確法) | 法令 | 約6問 |
区分所有法 | 法令 | 約12問 |
標準管理規約 | 法令 | 約8問 |
マンション管理適正化法 | 法令 | 約5問 |
標準管理委託契約書・会計 | 管理事務 | 4問 |
建築・設備 | 建築・設備 | 15問 |
また、マンション管理士試験に独学で挑戦する際には、想像以上に学習時間の確保が必要になることも想定しておきましょう。
独学で合格を目指すには以下の点に注意が必要です。
- 出題範囲が広くて効率よく勉強することが難しい
- 法令系の問題が多くて暗記だけでは試験に対応ができない。
- 区分所有法と標準管理規約の相違点が難しい
- 仕訳は簿記3級の知識が必要
マンション管理士試験は、たとえ5点免除者であっても独学にこだわりすぎると合格ができません。私の周りにも独学にこだわっているせいで、いつまでも合格できない人がたくさんいます。一方、私は通信講座を利用して一発で合格することが出来ました。
独学にこだわるのはやめましょう。
独学にこだわりすぎると、以下のようなデメリットがあります。
- 勘違いして知識を覚えてしまう
- 試験に必要ない箇所を学習してしまう
- 出題傾向の分析が難しい
- 狙われやすいポイントに気づかない
マンション管理士は過去問を使って学習さえすれば合格できるような単純な試験ではありません。
一方、通信講座なら専門家が作成したテキストや動画で、論点のポイントや出題傾向を解説してくれるため勉強がが苦手な人でも簡単に学習することが可能です。
特に、学習時間の確保が難しい人や、独学に不安な人は積極的に通信講座を利用することをおすすめします。
通信講座のメリットは以下の通りです。
- 本試験で狙われる箇所を解説してくれる。
- 出題傾向を分析した学習ができる。
- 用語や法律がどのような場面で適用されるか、どのような効果があるかを解説してくれる。
- 重要なポイントや覚え方などを教えてくれるため、効果的に学習できる。
少しでも独学に不安を感じたら、無理せず通信講座などを検討してください。
試験勉強は気力と体力が必要です。できることなら一発合格したいです。一日に使える学習時間は限られています。いつまでに合格したいのかを考えて自分に合った学習方法で合格を目指しましょう!
マンション管理士試験の目安勉強時間は約700時間とされています。しかし、初心者が独学で挑戦した場合は700時間以上の時間が必要になることは想定しておきましょう。出題範囲が広い試験なのでやみくもに勉強しても合格は出来ません。マンション管理士試験は難関試験です。本当に合格をしたい人は通信講座を利用すべきです。
私は通信講座で一発合格することができました。