
- どっちの資格が簡単?
- どのくらいの勉強が必要?
- 自分に合っているのはどっち?
「とりあえず勉強を始めてみよう!」その気持ちは素晴らしいですが、挑戦する資格の難易度を知らずに突き進むのはすごく危険です。
なぜなら、宅建士と管理業務主任者はどちらも不動産業界で活躍できる人気の資格ですが、試験の特徴がまったく違うからです。
試験の特徴を知らずに挑戦してしまうと「途中で挫折してしまう原因にも…」だからこそ、挑戦する前にしっかりと難易度を把握して、自分に合った戦略を立てることが重要です。
この記事では宅建士と管理業務主任者の難易度をいろんな角度から比較して解説します。
この記事を読めば「別の資格にしておけばよかった…」と失敗することはありません。

自分に合った資格はどっちか今すぐチェックしてみましょう!
宅建と管業を徹底比較!

目安の勉強時間は変わらない
個人差はありますが、一般的に管理業務主任者と宅建の必要な勉強時間は以下のようになっています。
資格名 | 必要な勉強時間の目安 |
宅建士 | 300~400時間 |
管理業務主任者 | 300時間 |
一般的に宅建の方が難しと言われていますが、どちらも300時間程度の勉強が必要です。勉強時間をみてもどっちも簡単に合格できる資格ではないことが言えます。

勉強時間で比較すると宅建と管業は同等のレベル。
合格率は管業の方が高い

合格率を比較
年度 | 管理業務主任者 | 宅建士 |
2013年度 | 22.5% | 15.0% |
2014年度 | 21.0% | 14.8% |
2015年度 | 23.6% | 15.0% |
2016年度 | 22.5% | 14.9% |
2017年度 | 21.7% | 14.9% |
2018年度 | 21.7% | 15.1% |
2019年度 | 23.2% | 15.0% |
2020年度 | 23.9% | 15.1% |
2021年度 | 19.4% | 15.0% |
2022年度 | 18.9% | 14.9% |
2023年度 | 21.9% | 17.2% |
2024年度 | 21.3% | 18.6% |
平均合格率
管理業務主任者 | 宅建士 |
20%~23% | 15%~17% |

合格率では管業の方が少しだけ合格しやすそうに見えますね。
では、なぜ管理業務主任者のほうが合格率が高いのでしょうか?それは、管理業務主任者の受験者はすでに宅建士やマンション管理士などの資格を持っている人が多い点にあります。特に管理業務主任者は宅建と重なる分野があるので結果的に合格率が高くなっている傾向にあります。
一方で、宅建の受験者は不動産業界に興味がある人や転職や就職のために資格を取得したい初心者が多いので合格率がやや低い傾向にあります。

管業と宅建では受験者のレベルに大きな差があるので合格率で難易度を判断するのは注意しましょう。
合格ラインを比較
年度 | 宅建士(合格点) | 管理業務主任者(合格点) |
平成25年 (2013) | 33点 | 32点 |
平成26年 (2014) | 32点 | 35点 |
平成27年 (2015) | 31点 | 34点 |
平成28年 (2016) | 35点 | 35点 |
平成29年 (2017) | 35点 | 36点 |
平成30年 (2018) | 37点 | 33点 |
令和元年 (2019) | 35点 | 34点 |
令和2年 (2020) | 38点(10月) 36点(12月) | 37点 |
令和3年 (2021) | 34(10月) 34点(12月) | 35点 |
令和4年 (2022) | 36点 | 36点 |
令和5年 (2023) | 35点 | 36点 |
令和6年 (2024) | 37点 | 37点 |
平均合格ライン
資格 | 平均合格ライン | 最近の合格ライン |
管業 | 35~37点 | 35~38点 |
宅建 | 35~37点 | 35~37点 |
宅建士と管理業務主任者の合格ラインはいずれも50点満点中35~37点です。つまり、どちらも70%前後の正解率が必要で難易度は変わらないように見えます。

安全圏内は±36点を目安に得点する必要があるのでどちらも難易度は高めですね。
出題範囲や特徴を比較
項目 | 管理業務主任者 | 宅地建物取引士 |
試験内容 | マンション管理の知識 | 不動産取引全般 |
最重要分野 | 区分所有法・管理事務 | 宅建業法 |
出題数 | 50問 | 50問 |
試験の特徴 | 設備・会計の知識が必要 | 民法・宅建業法がポイント |

宅建は不動産全般に役立つ資格ですが、管業はマンション管理に特化した資格!
管業の出題範囲
科目 | 出題数 |
民法・その他の法令 (宅建業法・品確法) | 約11問 |
区分所有法 | 約9問 |
標準管理規約 | 約5問 |
マンション管理適正化法 | 約5問 |
標準管理委託契約書 | 約6問 |
会計 | 約3問 |
設備系法令 (建築基準法) | 約5問 |
建築・設備 | 約6問 |
宅建士の出題範囲
科目 | 出題数 |
民法(権利関係) | 約14問 |
法令上の制限 | 約8問 |
宅建業法 | 約20問 |
税・その他 | 約3問 |
免除科目 | 約5問 |

宅建は5点免除を使えば民法と宅建業法に注力して学習すれば合格できそうな試験だと言えます。
管理業務主任者はマンション管理の専門知識がメインで宅建は不動産売買・賃貸に関する知識が中心の試験です。両試験では民法・その他法令の範囲で重なる部分が多いですが、管理業務主任者の出題範囲ほうが広範囲であることに注意が必要です。
宅建は深い応用知識を問われることが多いのに対して、管理業務主任者は基本的な知識を広範囲で問われる傾向が強い試験です。

受験経験者からは「宅建よりも管業の方が難しかった」という意見も多いです。
他不動産資格と比較!

合格率を比較
資格名 | 合格率 |
司法書士 | 3%~5% |
土地家屋調査士 | 8%~9% |
マンション管理士 | 8%~9% |
宅建士 | 15%~17% |
管理業務主任者 | 20%~23% |
賃貸不動産経営管理士 | 29%~31% |
他資格の合格率と比較すると、宅建と管理業務主任者は初心者でも挑戦しやすい資格だといえそうです。特に不動産系資格の取得を考えている初心者は宅建や管理業務主任者に挑戦するのは一つの良い選択肢になるでしょう。
ただし、試験の難易度は「合格率」だけでは判断できないことに注意が必要です。試験を突破するためには、しっかりとした学習計画が求められます。

宅建と管業は合格率だけみれば比較的合格できそうなイメージですね。
目安の勉強時間を比較
資格名 | 必要な勉強時間の目安 |
司法書士 | 3,000時間 |
土地家屋調査士 | 1,000時間 |
マンション管理士 | 500~700時間 |
宅建士 | 300~400時間 |
管理業務主任者 | 300時間 |
賃貸不動産経営管理士 | 100時間 |
宅建士と管理業務主任者の目安の勉強時間は約300~400時間で他資格と比べても比較的勉強がしやすい資格だといえます。ただし、個人の基礎知識や理解度によって必要な時間は変わるので自分自身のレベルを確認しながら効率的な学習計画を立てることが大切です。

宅建と管業はうまくいけば短期間で合格ができそうですね!
受験者数を比較
資格名 | 令和4年度の受験者数 |
司法書士 | 12,727名 |
土地家屋調査士 | 4,404名 |
マンション管理士 | 12,209名 |
宅建士 | 226,022名 |
管理業務主任者 | 16,217名 |
賃貸不動産経営管理士 | 31,687名 |
ここで注目すべき点は宅建士の受験者数です。他資格と比べて圧倒的に受験者数が多く最も人気がある資格だという事がわかります。また、初心者でも挑戦しやすい資格であるともいえるでしょう。
一般的には、受験者数が多い資格は一定の需要や人気があるためと考えられます。 しかし、裏を返せば受験者数が少ない資格ほど「なんとなく受験する人」が少なくてガチ勢が多い試験だとも言えます。

宅建は「なんとなく」で受験する人が多い!
管業とマン管のダブル受験はやめるべき

マンション管理士試験データの統計
年度 | 受験者数 | 合格率 | 合格点 |
平成26年 (2014) | 14,937名 | 8.4% | 36点 |
平成27年 (2015) | 14,092名 | 8.2% | 38点 |
平成28年 (2016) | 13,737名 | 8.0% | 35点 |
平成29年 (2017) | 13,037名 | 9.0% | 36点 |
平成30年 (2018) | 12,389名 | 7.9% | 38点 |
令和元年 (2019) | 12,021名 | 8.2% | 37点 |
令和2年 (2020) | 12,198名 | 8.6% | 36点 |
令和3年 (2021) | 12,520名 | 9.9% | 38点 |
令和4年 (2022) | 12,209名 | 9.9% | 40点 |
マンション管理士の合格率は約8%で非常に難易度が高い資格の一つですが、マンション管理士と管理業務主任者の出題範囲がほとんど同じことからダブル受験で合格したいと思っている人も多いでしょう。しかし、受験者のほとんどは管理業務主任者の合格者(5点免除者)であるという点に注意しなければなりません。

欲張らずにまずは管理業務主任者の合格を目指しましょう!
ダブル受験をお勧めできない3つの理由
出題範囲がほとんど同じなのにダブル受験をおすすめできない理由は以下のとおりです。
- 問われる視点がまったく違う
- 管理業務主任者は「管理会社目線」、マン管は「管理組合目線」で問題が作られています。試験の出題形式が大きく変わるのできちんと区別して理解しておかないと情報が混在してしまいます。
- 両試験日の間隔が1週間しかない
- マンション管理士の試験日は11月の最終日曜日、管理業務主任者の試験日は12月の第一日曜日です。両試験の間隔は約1週間しかないので試験の切り替えができずに結果として、両方の試験に合格できないケースも少なくありません。
- 難関資格にもかかわらず独占業務がない
- マンション管理士は難易度が高い試験とされていますが現状では独占業務が存在しません。この点から独占業務を持つ管理業務主任者の方が圧倒的に需要があると言えます。また、法改正で独占業務ができるという噂もありますが未だ詳しいことは決まっていません。

私は管業に合格してから5点免除を利用し、マン管試験に合格しました。
管理業務主任者とマンション管理士のダブル受験をおすすめしない3つの理由を解説
宅建と管業の難易度は比較できない

管理業務主任者と宅建士は、不動産業界で活躍するために必要な資格です。しかし、どちらの試験も合格するのは簡単なことではありません。
両資格の合格率を比較すると管業の方が少しだけ高い傾向にありますが、それだけでだけで難易度を判断しないように注意しましょう。
項目 | 管理業務主任者 | 宅地建物取引士 |
試験内容 | マンション管理の知識 | 不動産取引全般 |
最重要分野 | 区分所有法・管理事務 | 宅建業法 |
出題数 | 50問 | 50問 |
試験の特徴 | 設備・会計の知識が必要 | 民法・宅建業法がポイント |
結論は「両資格の難易度は簡単に比較することはできない」です。そもそも、管理業務主任者と宅建士は分野が違います。出題範囲が重なるところもありますが、あまり参考にしないように注意しましょう。
両試験の特徴を簡単に説明すると以下の通りです。
- 宅建は管業よりも出題範囲が狭く、より深い知識が必要。
- 管理業務主任者は宅建よりも出題範囲が広く、広範囲にわたる知識が必要。
もし、宅建士など他資格の受験経験者であれば、管理業務主任者試験の法令問題は少しだけ楽に感じるかもしれません。しかし、実際に管業試験を受けてみると『宅建よりも難しかった.』という意見も多いです。
宅建と管理業務主任者は初心者でも十分に合格を目指せる資格ですが、学習を始める前に両試験の特徴をもう一度確認しておきましょう。
- 宅建と管理業務主任者の勉強時間は300時間~400時間
- 合格ラインは例年±36点正確な知識が必要
- 民法などの法令問題がある
- 出題範囲が広範囲い
- 出題傾向を分析した学習が必要
出題範囲を完璧に網羅しようとする勉強はおすすめできません。それよりも、出題傾向を分析した効率の良い学習を心掛けましょう。また「ひっかけ問題」も多いので正確に問題を解く力が重要です。そのためには独学にこだわらず、通信講座も検討することをおすすめします。
もし、独学で合格を目指す場合は以下の点に注意しましょう。
- 出題範囲が広くて効率よく勉強することが難しい
- 勘違いして知識を覚えてしまう
- 暗記だけでは試験に対応ができない
- 出題傾向の分析が難しい
一方で通信講座であれば効率的に学習することが可能になります。通信講座の利用をおすすめする理由は以下のとおりです。
通信講座をおすすめする3つの理由
- 出題範囲が広い
- 両試験は、その出題範囲が非常に広く、また各分野について詳細な知識が求められます。そのため、各分野を平均的にカバーしつつ、出題傾向を分析した効率の良い学習が必要になります。これは独学で学習するにはある程度の学習時間の確保が必要です。しかし、通信講座であれば、専門家が作成したカリキュラムを順番に学ぶことで、必要な知識を無駄なく吸収することが可能です。
- ひかっけ問題が多い
- 試験では、「ひっかけ問題」に気づくことができずに本番で失敗してしまうケースが非常に多いです。通信講座では、講師が狙われるポイントを明確に解説してくれるので試験本番で失敗することはありません。
- 法令系の問題が多い
- 宅建や管理業務主任者では民法など法令系の問題が多く出題されます。独学だと過去問の学習に偏りがちで、無意識に暗記してしまっているケースが多く見られます。法律の成り立ちから、基礎をしっかり固めることが得点UPにつながります。通信講座はならこのような法律の背景知識をしっかりと学ぶことができます。

独学が不安な人は通信講座も検討してみましょう!